【Google広告を始める前に】Google広告の基本
2022年9月30日
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更新日:2024年 10月 16日
【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹
Web上でのマーケティングや広告戦略を考えるうえで、必ず知っておきたい単語の一つに「CPM」があります。Web広告を運用していると耳にする用語ではあるものの、どのような意味をもっているのか、広告運用にどう関係があるのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事は、Web広告を運用する際に欠かせないCPMについて、意味や計算方法、メリット・デメリット、効果を高める方法などを解説しています。自社でWeb広告運用をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
WebマーケティングやWeb広告で、インターネット上に広告が1,000回表示されるたびに発生する費用を「CPM(Cost Per Mille)」といいます。CPMのMにあたる「Mille」は、英語のマイルではなく、ラテン語で「1,000」の意味をもつ単語の「ミル」です。
Web広告の世界でCPMと同じ意味として使われる用語に「インプレッション単価」があります。「インプレッション」とはWebマーケティングにおいて広告の表示回数を意味する言葉です。CPMは1,000インプレッション単価に相当しており、表示回数1,000回ごとに料金が発生するWeb広告の料金方式を「CPM単価」と呼びます。
コンバージョンや流入などは考慮せず、単にどれだけの人に見られたかを目的とするタイプの広告で主に用いられている指標です。
CPMは次の式で計算できます。
CPM(円)=広告費÷広告の表示回数×1000 |
20万円を払って広告を掲載し、100万回表示された場合のCPMは次の通りです。
50万円÷100万回×1000=200円
支払った単価に対して、広告の表示回数が少ない場合、CPMは高くなり、逆に広告表示が多いとCPMは下がります。CPMが少なければ、それだけ広告費をかけずにインプレッションを獲得できている計算になるため金額はできるだけ低いのが理想です。
Web広告やマーケティングの世界では、ほかにもCPMと似た用語が指標として使われています。続いては、CPMと一緒に覚えておきたいWeb用語の意味や使い方、計算方法などについてみていきましょう。
「eCPM」は広告を1,000回表示させるのにかかる実際のコストを意味する用語です。eCPMの「e」は「effective(事実上の)」からきており、別名「有効CPM」ともいわれます。eCPMの計算方法は次の通りです。
eCPM(円)=広告費÷広告が表示された回数×1000 |
計算式も似ており、広告1,000回あたりの費用を指しているならCPMと同じ意味に思えるかもしれません。しかし、eCPMの場合は「事実上の」と付いている点が異なります。
CPMが主にインプレッション課金型で使用される指標なのに対して、eCPMは成果報酬型やクリック課金型など違う課金形式とコストを比較する際、1,000インプレッションごとの金額に換算して比べやすくするための指標です。CPMが1,000インプレッションごとの確定的な金額なのに対して、eCPMの場合は、おおまかな予想金額になります。
「vCPM(viewable Cost Per Mille)」は、広告が実際にユーザーに1,000回見られた場合にかかる費用を指す用語です。
CPMでは、広告がブラウザに読み込まれた時点で1回表示とカウントされます。しかし、広告がページの下部にあるのにユーザーが最後まで閲覧しなかったり、読み込み途中で画面を閉じてしまったりした場合は、CPMでは1回に含まれるものの、実際には広告がユーザーに見られていません。
広告主にとって、実際に見られていない広告に支払う費用は無駄になるため、本当はどれだけ見られているのかを知る目安としてvCPMが使われるようになりました。
「ユーザーが広告を見た」とする判断基準は媒体ごとに異なりますが、GoogleやYahoo!では、広告の50%以上が画面に1秒以上露出した場合をアクティブビューとしています。最近では、設定でvCPM課金方式を選択できる広告も出てきました。
「CPC(Cost Per Click)」は、別名「クリック単価」ともいわれ、広告のクリック1回あたりに必要な費用を表す用語です。CPCは、次の式から計算できます。
CPC(円)=広告費÷広告のクリック回数 |
たとえば、10万円の費用で広告を掲載し、1,000回クリックされた場合なら100円です。CPCの金額は低いほど費用を抑えてクリックを得られているため、コストパフォーマンスが高くなります。また、1クリックごとの単価は広告を出したいキーワードの人気によって変わるのが一般的です。
クリック回数に応じて費用が決まるタイプの広告はCPC課金方式といわれます。実際に広告がクリックされた場合だけ料金がかかり、表示されるだけでは費用は発生しません。
「CPA(Cost per Acquisition)」は、「顧客獲得単価」とも呼ばれ、1件の成約や顧客を得るためにかかった費用を指す用語です。広告のゴールとして、顧客に資料請求や問い合わせ、セミナーへの参加等を行ってもらおうと考えているケースなどでは、広告効果の基準としてCPAが用いられます。CPAの計算方法は、次の通りです。
CPA(円)=広告費÷コンバージョン数(成約を得られた数) |
たとえば、10万円の費用をかけて広告を出稿し、1,000件の成約(コンバージョン)につながった場合、CPAは100円です。CPAが低いほど、費用をかけずに成約を獲得できているため、効率の良い広告といえるでしょう。
CPV(Cost Per View)は、動画が1回視聴されるにあたってかかる費用を意味する用語です。最近では、インターネット上でも動画広告が増えてきました。動画は単に表示されるだけでなく、視聴してもらわなければ効果がないため、Web広告においてもCPVが重要な指標になっています。CPVの計算方法は、次の通りです。
CPV(円)=広告費÷広告動画の再生回数 |
もし10万円を支払って広告動画が500回再生された場合なら200円です。金額が低いほど、安い広告費で動画が再生されているため効率的といえるでしょう。また、動画視聴の基準は広告が掲載されている媒体によって異なり、一定時間再生してもらえば視聴とカウントされる場合もあれば、最後まで視聴された場合のみ広告費が発生するケースもあります。
Web広告には、さまざまな指標がありますが、なかでも、CPM広告が多く採用される理由は、CPMが次のように多くのメリットをもっているためです。
ここからは、CPM広告がもつメリットを解説します。
商品・サービスの認知度向上に大きな効果を期待できるのは、大きなメリットです。CPM広告は表示回数に応じて料金が発生する仕組みのため、インプレッションが最大になるように配信されており、広告がユーザーの目に届きやすくなります。
どれほど良い商品やサービスであっても、認知されなければ購入や利用には結びつきません。顧客に商品・サービスを知ってもらいたい場合に、CPM課金形式は有力な手段といえます。商品販売やサービスの成約だけでなく、認知度拡大によるブランディング効果も見込めるでしょう。
クリック回数によって料金が変わらず、広告費が一定になるのもCPM課金形式がもつメリットの1つです。CPM課金では、表示させる回数によって費用が決まるため、何回クリックされても費用は変わりません。しかし、CPC広告なら、クリックされた回数に応じて広告費も上がっていきます。
CPM課金形式では、多くのユーザーがクリックしても広告費が増加しないため、ユーザーへの訴求が高くて反応率の大きい広告なら、1回あたりの単価が低くなってCPC課金形式よりも割安での広告出稿が可能です。はじめにCPC課金形式を選択しておき、クリック率が高い場合は、CPM広告に切り替えるのもよいでしょう。
広告費が変動しにくいCPM課金形式なら、予算の見積もりも立てやすくなります。CPM課金形式では、広告の表示回数で費用が決まるため、何回クリックされたかや動画が何秒視聴されたかなど、ユーザーの行動で広告費が左右される心配はありません。
CPC広告では、予想よりも顧客の反応が良く、クリックが伸びた場合に、料金が高騰して当初想定していた予算を越えてしまう可能性があります。しかし、CPM形式ならインプレッションに対する入札単価などの設定を変えない限り、広告費は大きく変動しません。追加費用の発生を防いで広告費を一定にコントロールしたい場合は、CPM課金形式を選択しましょう。
CPM課金形式の広告には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
続いては、CPM課金形式のデメリットについて詳しくみていきましょう。
CPM課金形式には、広告のクリック率が伸びにくくなってしまうデメリットがあります。CPM広告では、どれだけクリックされても広告費が変わらないため、費用を一定にコントロールできるのがメリットでした。しかし、よほど高い訴求でもない限り、Web上に表示される広告は簡単にはクリックされません。
また、CPM広告だと、見られていない広告に対してもコストを支払っている場合があるため注意が必要です。CPM課金形式では、広告が読み込まれる前にユーザーが離脱してしまっても1回にカウントされているため、全体の表示回数に対してクリック率が低くなる傾向があります。
CPM課金形式では、ユーザーがアクションを起こしていなくても、広告が表示されただけで料金が発生する仕組みのため、コストパフォーマンスが悪くなってしまう可能性があります。CPM広告は、表示されればユーザーが中身まで詳しく見ていなくても料金がかかり、ものによっては無駄なコストが発生しやすい形式です。
商品購入やサイトへの誘導に結びつかなくても、必要な広告費は変わらないため、クリック率が低い場合はCPC課金と比べて費用が割高になってしまう恐れがあります。CPM課金形式で出稿する場合、自社のターゲットをしっかりと分析し、クリック率を上げられる施策の実施が必要になるでしょう。
ライバルとなる広告主の数や予算によって広告費が影響を受けやすいのも、CPM課金方式のデメリットといえるでしょう。Web上で表示できる広告の数にも限度があるため、出稿される広告数が増えれば、CPMは上昇していく傾向があります。
たとえば、年末年始やお盆など連休の時期や予算消化が必要な年度末には、各社ともキャンペーンやセールなどで広告を増やすため、普段よりも広告費が高くなりやすいでしょう。高いクリック率が見込める期間は、競合の増加により単価も上昇するため、広告を出したい時期に高いコストを支払わなければならないこともあり得ます。
CPM課金形式で費用に対して広告効果を高めるためには、次の2点を意識してください。
はじめに、何のために広告を出すのか目的を明確にしましょう。認知度向上を狙っているのか、ユーザーに購入などのアクションを起こさせたいのかなど、目的に応じて最適な広告も変わります。商品・サービスを広く宣伝したい場合や誤クリックが起こりやすいスマホ広告などはCPM課金が向いている分野です。その他の場合は、CPM以外の課金形式が適している可能性もあります。
また、CPM課金形式はライバル企業の広告数によって単価が変動する傾向があります。競合の少ない分野に出稿すると、広告費を抑えながらインプレッションが見込めるため、費用対効果が良くなるでしょう。ターゲットを絞らず広範囲に広告を出す方法もCPMを下げるのに有効です。
Web上に広告を出稿する際は、マーケティングの目的や広告の訴求力に応じてCPMとCPCから最適な課金方式を選択しましょう。どちらの形式を選ぶと良いかの目安は次の通りです。
クリック率0.1%以上。多くの人に広告を見せたり、バナー・動画を認知してもらったりするのが目的の場合や高いクリック率が見込める広告の場合など。
クリック率0.1%以下。ユーザーに商品購入やサイト誘導など、コンバージョンが目的の場合。
広告費でみると、クリック率0.1%を上回る場合はCPM、下回るならCPCのほうがコストを抑えられます。
また、目的別では、ある程度ユーザーのクリック率が見込める広告で、広範囲にリーチして認知度やコンバージョンを高めたいならCPMがおすすめです。一方、ユーザーに何らかのアクションを起こしてもらいたいケースでは、できるだけクリック率が高くなるように配信される仕組みのCPC広告を採用するとよいでしょう。
CPMは広告表示1,000回ごとにかかる費用を指し、Web上で広告を出稿する際には大切になる数値です。CPM課金形式の広告は、商品・サービスの認知度アップに効果的で、クリック率によって広告費が変わらず、予算をコントロールしやすいメリットがあります。
一方、効果が出なくても広告費がかかったり、競合によって費用が変動したりといったデメリットも存在します。CPM広告を運用する際は、目的や範囲などをしっかりと検討しなければなりません。
ジオコードは、14年以上Web広告運用代行サービスを提供してきた経験があり、Google、Yahoo!のリスティング広告から、FacebookやInstagram、LINEなど、さまざまな分野での広告運営を得意としています。CPM広告の運用実績も豊富で、お客様の目的と要望に応じた運用で費用対効果のアップを目指します。自社のCPM広告運用・施策にお悩みの方は、ぜひジオコードにご相談ください。
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