【簡単解説】Googleレスポンシブディスプレイ広告って?

【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹

Googleレスポンシブディスプレイ広告とは、簡単に言うとサイト閲覧中のユーザーに配信するバナー画像の広告を指します。

ただ、Googleの機械学習が自動で作成してくれるバナー画像広告であり、わざわざ全てのサイズのバナー画像を運用者が用意する必要がないため、デザイナー工数の削減と広告の自動生成による成果の追求が、Googleレスポンシブディスプレイ広告の最大の特長となります。

また、数万円~数十万円といった安い金額で始められ、簡単に開始や停止の調整ができるうえ、広告が開始した後も改善が比較的に容易なため、登場してから現在まで人気の広告手法となっています。

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Googleが自動で最適化してくれる広告手法

Googleレスポンシブディスプレイ広告という手法では、Googleのバナー画像広告を見出し、画像、説明文、リンク先を各パーツとして捉え、各パーツを組み合わせてユーザーに合わせた適切な広告を、Googleの機械学習によって生成して配信することができます。

これは例えるなら、レゴブロックに近いと言えます。
それぞれのパーツを組み合わせながら、Googleの個々のユーザーの趣味志向に合わせて、見せる広告を作り変えて、それぞれ配信するわけです。

ある人には価格メインの見出しが効果的であったり、またある人には品質重視の画像が効果的であったり、それぞれのユーザーの特性に合わせて広告の成果が最大化されるように、Googleの機械学習が広告配信のタイミングで、広告を自動で組み合わせ(組み合わされるパーツはアセットと呼ばれる)て配信してくれます。
このような広告手法が登場した背景として、Googleは広告の運用をすべて機械学習に任せることを推奨しており、画像や見出しの製作といったクリエイティブの部分以外はGoogleの機械学習が実行できるとしています。
実際の運用データでも、人によるターゲティングよりも、機械学習によるターゲティングのほうが広告成果が良かった事例も登場してきており、Googleレスポンシブディスプレイ広告に代表されるように、今後ますますGoogle広告のあらゆる部分が自動化されていくかもしれません。

ディスプレイ広告という存在

レスポンシブディスプレイ広告が登場する前には、Googleディスプレイ広告では配信する広告の出し先に合わせて画像サイズ(縦300×横250、200×200、240×400、336×280、580×400、300×1050など)を全て用意する必要がありました。

もし用意できていない画像サイズがある場合、広告を出す先は限定され、広告の機会損失が多く起きる結果になっていました。

もちろん、デザイナーの工数を十分に確保し、ひとつひとつのサイズに合わせたデザインの異なる画像を作成してもらう企業もありましたが、その費用に見合った広告成果を出せる運用ができるかも、多くの企業では課題となっていました。

そこで登場したのが、Googleレスポンシブディスプレイ広告と呼ばれるものです。

レスポンシブディスプレイ広告が登場

Googleレスポンシブディスプレイ広告では、サイトを閲覧中のユーザーに画像・動画の広告を配信することができます。
サイトに広告収益用の枠を埋め込む際、ある程度のルール(約3~15種ほどのサイズ)は決められていますが、全ての画像サイズに対応し、広告の成果に合わせて訴求や画像サイズを特定したうえで改善を繰り返していくには、リソースが足りない企業がほとんどでしょう。
そこで、必要最低限の画像サイズと見出し、説明文を用意することでほとんど全ての広告サイズに対応でき、広告掲載の機械損失が起きない手法が、Googleレスポンシブディスプレイ広告と呼ばれる広告手法になります。

具体的には、縦1080×横1080のスクエア画像の広告を配信する際も、360×360のロゴ画像を広告の左隅に配置し、360×720の見出しを広告の右下に配置、それ以外の上段にはメインの720×720の画像を置き、これらのロゴと見出しと画像を組み合わせて1つの広告として、1080×1080の広告掲載枠に広告を出すというわけです。

これにより、組み合わせ次第であらゆる配信サイズに対応できるようになりました。

Googleレスポンシブディスプレイ広告のメリット

ほぼ全てのサイズに対応できるため、広告掲載時の機械損失は限りなく少なくなり、わずかなリソースで最大の広告掲載が狙えるため、登場当初から非常に多くの企業で用いられています。

また、Googleユーザーの年齢や性別、家族構成、年収、検索履歴、サイトの閲覧履歴に合わせて、あらかじめ準備した画像や見出し、説明文などを都度で最適に組み合わせて配信してくれるため、広告に対して興味・関心が置きやすくなっています。
そのため、クリック率や購入・申し込みに至る割合も従来のディスプレイ広告よりも高く、リソース削減や機会損失の減少という面だけでなく、広告成果という観点でも非常に優秀な広告手法と言えます。
広告作成の際もGoogle側からのサポートやガイドが手厚くあるため、簡単に作成できるため、特にレスポンシブディスプレイ広告をやらない理由が無ければ、迷わず選択しておくと良いでしょう。

Googleレスポンシブディスプレイ広告を考える際の注意点

当然ですが、Googleレスポンシブディスプレイ広告を配信する際にも注意点はあります。

それが下記の4点です。

ポリシー違反はないか?不快な広告ではないか?

ほとんどのケースで大丈夫なのですが、ディスプレイ広告となると画像・動画が表示される広告のため、ユーザーに伝える情報は通常のテキスト広告よりも多くなり、Google側の審査も厳しい傾向にあります。
特に、医療に関する広告やお酒・タバコなどの年齢制限が必要な領域の広告、または政治的な意味合いを含む広告は掲載そのものができません。
また、広告を閲覧するユーザーに不快感を与えないかも重要な観点となっており、見ていて不快感を与えない広告かどうかは、配信する前に必ず確認するようにしましょう。
自動で広告が組み合わされる特性上、意図しない組み合わせが広告として出てしまう点にも、注意が必要です。


例えば、旅行サイトを閲覧中のユーザーに対して、脱毛の広告とはいえ、毛だらけの部位にフォーカスした広告などが表示されるケースをイメージしてみましょう。

Googleユーザーは旅行について知りたくサイトを閲覧しているにも関わらず、不意に望んでいない脱毛の広告が出てきた上に、見ていて気持ちの悪い画像が表示された場合、どのような行動をとるか想像に難くないかと思います。

広告の停止のみならず、配信を続けているとアカウント自体が停止されてしまう可能性もあるので、注意しておきましょう。

訴求軸はきちんと分けているか?

Googleレスポンシブディスプレイ広告を行う際は、きちんと広告の訴求軸や検証の軸を意識することが大切です。
というのも、広告の運用を行う際は各パーツの入稿のみとなっており、実際に配信された広告の結果は、全パーツを合わせた数値として詳細(表示回数やクリック数、コスト、コンバージョン率など)に把握できます。
しかし、各パーツとして入れた画像、見出し、説明文の表示回数やクリック数など、それぞれの個別の細かな数値は表示されません。
そのため、1つのレスポンシブディスプレイ広告にいくつもの訴求軸を入れるのではなく、後から検証しやすいよう、1つ1つの訴求軸毎に広告を作成するようにしましょう。
繰り返しにはなりますが、Googleレスポンシブディスプレイ広告の配信結果は、アセット全体(パーツ全体)でしか細かに表示されない点には注意しておきましょう。

ターゲッティングは適切か?

Googleレスポンシブディスプレイ広告で大切なのが、ターゲティングになります。
ターゲティングの方法は主に2つあり、それが配信先へのターゲティングか人へのターゲティングかです。
配信先へのターゲティングとは、実際にディスプレイ広告(バナー画像・動画など)が出る先をサイトのキーワードやジャンル、個別のURLなどで絞ることを指します。
いわゆる、出面で配信をターゲティングするものです。

一方で、人へのターゲティングとは、実際に広告を見る人を想定して、ターゲットとなる人達の年齢や性別、興味・関心のある事柄や検索履歴に焦点を当て、ディスプレイ広告が表示される人を絞ることを指します。

それぞれ、どちらのほうが効果が良いのか検証するのも有効ですが、両方を組み合わせることも可能です。
ただ、広告の配信先となるターゲット母数自体を少なくしすぎてしまうと、広告そのものが出なくなってしまったり、売上や問い合わせに最も繋がりやすい層を外してしまう可能性があります。
そのため、ターゲティングを考える際はバランスを考え、過度に絞り込み過ぎないように注意しましょう。

配信先は精査できているか?

Googleレスポンシブディスプレイ広告だけでなく、WEB広告において最も大切なのが、無駄なコストは発生していないか?ということです。
ほとんどのWEB広告では、クリックされる度に費用が発生します。
そのため、購入や問い合わせ、申し込みに遠いようなクリック、あるいは何か行動をするつもりもないユーザーのクリックというのは、されるだけ無駄な費用の発生となり、必ず避けなくてはならないものとなります。

しかし、最初から完璧に配信先を精査することは現実的には難しく、配信してみて初めてわかる意外なニーズなどもあるため、初めのうちは広く広告を配信しがちです。

そこで大切なのが、配信をした後にきちんとニーズや配信先を分析し、無駄な配信先やニーズから遠いクリックを特定し、以降は除外設定でそれらの配信先に広告が出ないようにすることです。

自社内で運用のルールを決め、定期的に分析を行い、配信先の精査を行うようにしましょう。

まとめ

Googleレスポンシブディスプレイ広告は、配信先に合わせてサイズの異なる画像をいくつも用意する必要がないため、デザイナーのリソースが少なくても広告配信ができ、広告自体にかけるコスト削減になります。
さらに、自動でGoogleがそれぞれのユーザーに合わせて、最適な画像や見出し、説明文を組み合わせて広告を配信してくれるため、広告成果の観点からも非常に理にかなっており、高い効果が期待できます。
ただ、自動でGoogleが機械学習により画像や見出し、説明文を組み合わせて広告を作成する性質上、意図しない組み合わせが広告として出る点には注意する必要があります。

加えて、Googleの広告ポリシーに則り、不快感を与えない画像/見出し/説明文を意識しながら、後から分析がしやすいように、レスポンシブディスプレイ広告は訴求軸を分けて運用するようにしましょう。

ターゲティングも人と面の両方を組み合わせつつ、ターゲット母数が少なくなり過ぎないように意識しながら配信を行い、絶えず無駄クリックが発生していないか分析を行い、改善を繰り返していくことが大切です。

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