ランディングページとは? 制作のメリット・デメリットを解説 ランディングページとは? 制作のメリット・デメリットを解説

【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹

Webを使って販売促進や認知度拡大を狙うなら、Web広告に加えてランディングページ(LP)を活用するのが有効です。適切に活用すれば強力なツールになるのは間違いありませんが、中にはホームページと混同していたり、制作方法やメリット・デメリットを把握できていなかったりする方もいます。

ランディングページの概要や特徴を知ってはじめて、Webマーケティングの施策の1つとして組み込むことができ、自社のビジネス拡大につなげられるでしょう。業種を問わず、Web上でマーケティングを実行するなら、ぜひとも取り入れたい施策の一つです。

そこで本記事では、ランディングページの概要やよく混同されるホームページとの違い、制作するメリット・デメリットを解説します。あわせてランディングページの作り方や、運用のコツをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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ランディングページとは?

ランディングページとは、リスティング広告やSNS広告、自然検索を通して訪れるユーザーが初めにアクセスする1枚ものの縦長のページです。着地するという意味を表す英単語の「Land」が語源となっており、Landing Pageを略して、LPとも呼ばれます。

申し込み数の増加やお問い合わせの促進などを目的に制作されるランディングページでは主に、ユーザーの悩みを言語化し、それを解決できる手段として商品・サービスを紹介します。リスティング広告やSNS広告で表示されたものをクリックし、縦スクロールしながら読み進め、最終的に購入に至った経験のある方もいるでしょう。

ランディングページは商品・サービスを初めて知るユーザーにアピールできる媒体でもあり、そのクオリティが商品・サービスの売上を左右すると言っても過言ではありません。

フリーランスや個人で活動する制作会社に依頼すると、制作費用は数万円〜10万円程度に抑えられます。しかし先述したように、ランディングページの質は売上に大きな影響を与えます。

そのため本格的にWebマーケティングの施策に取り入れたいと考えているなら、制作だけ任せるのではなく、多少費用がかかってもWeb広告戦略や運用保守などがセットになったものを利用するのがおすすめです。

ここまでにランディングページの概要を解説しましたが、一口にランディングページと言っても、広義と狭義では若干意味が異なります。広義と狭義のランディングページで、それぞれどのようなことを指しているのか見ていきましょう。

広義のランディングページ

広義のランディングページは、ユーザーが最初にアクセスしたページを指します。この場合ユーザーの流入経路や制作側の意図、商品・サービス紹介の記載の有無によらず、どのページもランディングページになり得る可能性があります。

例えば、ユーザーがSNSからトップページにダイレクトにアクセスした場合はトップページが、Google検索から会社概要ページに飛んだ場合は会社概要ページがランディングページです。後述する狭義のランディングページと区別し、入り口ページや集客ページと呼ばれる場合もあります。

広義のランディングページは主に、Google Analyticsでのアクセス解析に使われる概念です。Google Analyticsではユーザーが最初に訪れたページをランディングページと定義し、その後どのようなページを経て、最終的にコンバージョンに至ったかを計測できます。

ユーザーは、商品・サービスを事細かに説明するページに、直接アクセスするとは限りません。化粧品販売事業を例に挙げると、ユーザーは「肌 乾燥」「シワ 対策」「敏感肌 スキンケア」のように自身の持つ悩みで検索するのが大半です。

そこでユーザーの悩みを紹介する下層ページを充実させる、つまり広義のランディングページを増強すると、最終的な売上アップが見込めます。商品・サービスを紹介するトップページや後述する狭義のランディングページにのみこだわるのではなく、広義のランディングページに力を入れるのも、ホームページへのアクセスを増やす上では重要な施策です。

狭義のランディングページ

狭義のランディングページとは、お問い合わせや申し込みなどユーザーのアクションを促すことに特化した、縦長レイアウトの商品・サービスの魅力を伝えるページです。

リスティング広告やSNS広告のリンク先に設定されるケースが多く、SEO対策が施されたコンテンツと異なり、別途新たに作成する必要があります。

本記事では以下より、特に断りがない場合、ランディングページは「狭義のランディングページ」を指します。

ランディングページとホームページの違い

ランディングページとホームページの違いを見ていく前に、ホームページの概要を抑えておきましょう。

ホームページは「Webサイト全体」「トップページ」「ブラウザの最初のページ」のいずれかを指す言葉です。企業の公式サイトとなるコーポレートサイト、商品・サービスを紹介するサービスサイト、商品を売ることに特化したECサイトに分けられます。

ここまでに紹介したホームページはランディングページと、以下の項目で異なります。

  • 目的
  • ターゲット
  • ページ数
  • デザイン

ランディングページとホームページのそれぞれの違いを把握しておくと、効果的なマーケティング施策を考案できたり、広告を適切なターゲットに届けられたりするなどさまざまなメリットがあります。それぞれにおける違いを見ていきましょう。

目的

ランディングページの目的は、ページにアクセスしたユーザーのアクションを促すことです。例えば、以下のような目的を設定できます。

  • 商品・サービスの魅力を伝える:商品の購入、サービスの利用
  • イベントやセミナーを告知する:見込み顧客の獲得
  • 無料サンプルや無料体験版の提供:見込み顧客の獲得、認知度拡大

ランディングページの目的は、一つに絞るのが重要です。「商品・サービスの魅力を伝えつつ、ユーザーの特徴を知るためにアンケートも取ってみよう」と複数の目的を設定すると方針がぶれ、本来の効果が得づらくなる点には注意しましょう。ちなみに、ランディングページでは目的を1つに絞っている分、効果測定がしやすいという特徴もあります。

一方、ホームページの主な目的は、企業側からの情報提供です。ホームページにはさまざまな悩みや目的を持ったユーザーが訪れるので、それらに対応できるよう準備しておきましょう。商品・サービスの詳細に加えて、企業理念や電話番号・メールアドレス・住所などの会社情報、採用情報などをユーザーがわかりやすいようまとめておく必要があります。

ターゲット

ランディングページのターゲットは、商品・サービスを利用しそうな見込み顧客です。見込み顧客の悩みを解決できる魅力的なものであることをアピールします

一方のホームページのターゲットは、見込み顧客や取引先、求職者、投資家など多岐にわたります。それぞれさまざまな目的を持ってホームページに訪れるので、そのニーズを満たせるように情報を充実させるのが重要です。

ページ数

ランディングページは、ターゲットを絞って商品・サービスの魅力を完結に伝える必要があるため、1ページで完結するのが望ましいとされています。サイトマップやサイト全体の構造との適合性を考慮する必要がなく、制作にかかる手間や工数は比較的抑えられるのが特徴です。

しかし先述したように、ランディングページの目的は1つに絞ることが重要なので、複数の商品・サービスを紹介したり別の目的を設定したりする場合には、複数のランディングページが必要になります。その際、別途制作費用が発生する可能性がある点は留意してください。

一方ホームページは、情報提供が主な目的なので数多くのページを必要とします。以下は、ホームページで必要となるページの一例です。

  • トップページページ
  • 事業内容ページ
  • 企業理念ページ
  • 代表挨拶ページ
  • 会社概要ページ
  • 採用情報ページ
  • 実績紹介ページ
  • ニュース・お知らせページ
  • コラム・コンテンツページ
  • お問い合わせ・資料請求ページ
  • 個人情報保護方針ページ
  • プライバシーポリシーページ

複数のページにわたる分、サイト構造が複雑になります。そのためランディングページに比べて、費用が高く、規模によっては制作期間が数カ月に上ることもあります。

デザイン

ランディングページのターゲットは特定できますが、ホームページのターゲットは多岐にわたるため、デザインにも違いが現れます。

ランディングページでは、1つに絞ったターゲットに商品・サービスの魅力を伝えるために、斬新なデザインや魅力的な画像、特徴的なフォントなどさまざまな工夫を凝らす点が特徴です。特にユーザーが最初に見るファーストビュー(FV)やコンバージョンボタンのデザインは重要で、ユーザーの興味を引くために多彩なアニメーションや視覚効果が用いられるケースもあります。せっかく訪れたユーザーを離脱させないように、自ずと目を引くデザインが求められるのです。

一方、先述したようにホームページのターゲットは複数存在します。ランディングページのように革新的なデザインを用いると、しっかりした企業だという確信を持つためにホームページを確認しにきた投資家や取引先に不信感を抱かれる可能性があるでしょう。さまざまなターゲットが違和感を覚えることがないよう、ホームページのデザインはスタンダードなデザインが用いられるのが一般的です。

ランディングページの流入経路

ランディングページは制作して終わりではなく、ユーザーに見てもらって初めてスタートラインに立てます。そのため、どのような流入経路があるのかを把握しておくのが欠かせません。

ランディングページの流入経路には、以下が挙げられます。

  • 自然検索
  • リスティング広告
  • SNS

各流入経路の概要と、ランディングページへのアクセスを増加させるための具体的な施策を見ていきましょう。

自然検索

自然検索とはオーガニック検索とも呼ばれ、検索結果ページに表示されるコンテンツのうち、リスティング広告を除いた、通常の検索結果のことです。

自然検索での検索順位は、さまざまなアルゴリズムによって決定されますが、主に良質なコンテンツを提供しているか否かで決まります。広告費をかける必要がないため、低コストで集客できる点がメリットです。また、広告掲載期間が終了すると表示されずアクセスが少なくなるWeb広告と異なり、自然検索では上位表示されると継続的なアクセスが見込めます。

しかしランディングページは、自然検索との相性が悪いとされています。

自然検索で上位表示するための対策であるSEO(Search Engine Optimization)では、ユーザーの求める情報を過不足なく伝えるのが重要です。ブログやコラムなどのコンテンツと異なり、ランディングページではひと目で魅力を伝えるインパクトのあるデザインが求められます。そこに大量のテキストを書き込み、言語的にもアピールするのは容易ではありません。

また、なるべくランディングページ内で完結させ、他ページに遷移させないために、コンバージョンボタンやお問い合わせボタンなどにリンクは限定されます。内部リンクが適切に配置されていないランディングページは検索エンジンからの評価を得るのは難しく、検索上位に入るのは厳しいでしょう。

ランディングページの効果を最大限引き出すためには、後述するリスティング広告やSNSを活用するのがおすすめです。

リスティング広告

リスティング広告とは、ユーザーの検索キーワードに応じて検索結果画面の上位に表示されるテキスト型のWeb広告です。検索結果に表示されるため、検索連動型広告とも呼ばれます。

リスティング広告もSEOと同様に検索結果画面に表示されるため、違いがわからないと感じる方もいるでしょう。リスティング広告とSEOの違いは、検索結果を意図的にコントロールできるか否かです。

リスティング広告では、広告を出稿して審査に通れば、検索結果の上位に表示させることができます。一方でSEOで上位表示させるためには、数カ月から1年程度かかるのが一般的です。ある程度の予算を投下する必要はありますが、短期間で効果を見込めるのがリスティング広告のメリットです。

またリスティング広告では、ユーザーが広告をクリックした際に費用が発生する仕組み「クリック課金制」が取られています。広告出稿自体には費用がかからず、費用対効果もメリットの一つです。

ランディングページを効果的に運用するには魅力的な広告形態ですが、結果を出すのは容易ではなく、それなりの経験や知識が求められます。定期的な改善や自動化ツールの活用、広告代理店への依頼を検討しながら、リスティング広告を活用しましょう。

なおリスティング広告の概要や始め方、運用方法、費用の相場などはこちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。

SNS

LINEやFacebook、Instagram、X(旧Twitter)、TikTokなどの各種SNSも、ランディングページへの流入経路の一つです。SNSには高い情報拡散力がある他、ユーザーとのコミュニケーションが取りやすいという特徴があるので、活用次第では大きな成果が見込めるでしょう。

SNSからの流入を狙う場合、アカウントをコツコツ運用して多くのユーザーにアプローチする方法と、SNS広告を使う方法に分けられます。

前者で重要となるのは、顧客とのコミュニケーションです。渾身の内容を少ない頻度で投稿するよりも、気軽な内容を頻繁にアップロードしてコミュニケーションを取る方が、親近感が高まります。親近感が高い企業の商品を利用し、そしてその口コミを広げたくなるのが顧客心理なので、積極的に交流しましょう。

一方後者で重要になるのは、ターゲット選定です。SNSといえどあくまで広告なので、ただ単に見込み顧客になる可能性の低いユーザーとの交流を測るだけでは、効果は見込めないでしょう。適切なターゲティングこそが、SNS広告の成功の鍵を握ります。

またSNSを活用する際は、以下の点に留意してください。

  • SNS上では直接商品・サービスは売れづらい
  • 各SNSごとに特性がある
  • 各SNSごとにユーザー層やアクティブユーザー数が異なる

1つ目は、SNS上では直接商品・サービスは売れづらい点です。SNSを利用するユーザーは、お互いのコミュニケーションを楽しんでおり、頻繁な商品・サービスの宣伝は好まれません。認知は獲得できても信頼がなければ購入されにくいので、継続的に発信し普段からコミュニケーションを取るのが重要です。

2つ目は、各SNSごとに特性がある点です。Twitterやnoteのように文章を投稿するのがメインの媒体もあれば、FacebookやInstagram、YouTube、TikTokのように画像や動画が主軸になるものもあります。拡散速度も異なる点を考慮し、自社の商品・サービスと相性の合う媒体を選択しましょう。

3つ目は、各SNSごとにユーザー層やアクティブユーザー数が異なる点です。以下は主要SNSの各数値をまとめた表です。

サービス名ユーザー層月間アクティブユーザー数
LINE20代〜30代ををはじめ幅広い層9,500万人
YouTube10代〜20代7,000万人
Twitter10代〜20代4,500万人
Instagram10代〜20代3,300万人
Facebook30代〜50代2.600万人
TikTok10代〜20代1,690万人

「40代向けの商品・サービスを販売するならFacebook」「若い世代にアピールしたいならInstagram」などのように、属性ごとに活用するSNSを使い分けるのが大事です。

※月間アクティブユーザー数は、データ公表時のものです。

上記を理解して適切な対策を施せば、SNSを使ってランディングページの効果を高められるでしょう。

※参考: LINE. 「トークリスト|LINE for Business」

※参考: Think with Google. 「YouTube が人気な理由とは – Think with Google」

※参考: Twitter Japan

※参考: Meta. 「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破 | Metaについて」

※参考: CNET Japan. 「フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」–独占ロングインタビュー藤井」

※参考: MarkeZine. 「「2021年に活用を始めないと乗り遅れる」電通天野氏に聞くTikTok活用の今」

ランディングページを制作するメリット

ランディングページを制作するメリットは、以下の3つです。

  • 成果を伸ばしやすい
  • セールスを強化できる
  • 効果測定がしやすい

各メリットを詳しく解説します。

成果を伸ばしやすい

ユーザーのアクションを促進する目的があるランディングページは、お問い合わせや資料請求、無料サンプルの申し込みなどのコンバージョンを獲得しやすい点がメリットです。その理由には、ランディングページは、ホームページにアクセスした場合と異なり、ユーザー自身で商品・サービスの詳細を調べる必要がなく、1ページに情報が網羅されている点が挙げられます。女性向けに化粧水を販売するケースを見てみましょう。

ユーザーが商品の購入を検討する際、以下の項目を調べると考えられます。

  • 化粧水の成分
  • 化粧水の効果や効能
  • 化粧水の購入方法
  • 購入者によるレビュー
  • よくある質問

ホームページの場合、これらの情報をユーザー自身が集めなければなりません。情報を集めている間に他のコンテンツに目移りしたり、表示されたWeb広告をクリックしたりなど、他ページに遷移する可能性があります。悩みを解決できるコンテンツを用意しても、ユーザー自身でそこまでたどり着けず、嫌気がさして離脱するケースも起こり得るでしょう。

ランディングページなら多少長くはなるものの、全ての情報を1ページに集約できます。コンバージョンボタンやプライバシーポリシー、特定商取引法表示のページに遷移させるリンクは必要にはなりますが、極力外部への遷移を省けるため、コンバージョンを最大化させやすいでしょう。

また、ランディングページが購買欲求を高める構成で作られている点も、コンバージョンに導きやすい理由の一つです。ランディングページの代表的な構成に、先ほどの化粧水のケースを当てはめてみましょう。

  1. 「このようなお悩みを抱えている方はいませんか?」:ユーザーの悩みを言語化し、認識してもらうフェーズ
  2. 「弊社の化粧品には〇〇な特徴があり、お悩み解決に導きます」:悩みを解決できる手段として、自社の商品をアピールする
  3. 「今なら〇〇人限定で、もう一本ついてきます」:商品の強みを再度認識させつつ、今購入するためにアクションを促す

ランディングページには上記以外にも、いくつかのテンプレートがあります。必要となる要素や具体例は後ほど詳しく解説します。

セールスを強化できる

セールスを強化できるのも、ランディングページならではの特徴です。その理由には、以下の3つが挙げられます。

  • デザイン性が高く訴求力がある
  • 理想的な順番で情報を伝えられる
  • ホームページと訴求内容を変えられる

1つ目は、デザイン性が高く訴求力がある点です。

ホームページはある程度のデザインの型が決まっており、複数存在するターゲットに違和感なく伝えることが求められます。一方ランディングページの場合、レイアウトに制限がなく、洗練されたデザインを持つページを作成できます。魅力的な画像や印象的なフォントを使うことで、絞り込んだターゲットに刺さるデザインを構築しやすい点が特徴です。

2つ目は、理想的な順番で情報を伝えられる点です。

ホームページでセールスをかける場合、ユーザーは企業側が意図する手順で情報にアクセスするとは限りません。いくら魅力的な商品・サービスを提供していても、伝わる順番が変わると成果に結びつかないケースがあります。例えば、質はいいが少々値段の高いサービスを提供しているケースを考えてみましょう。

購入を促すなら「値段が高い→しかしサービスの質はいい」とするのがセオリーです。しかしホームページ上に複数あるコンテンツのうち、ユーザーが最後に値段を紹介するコンテンツにたどり着いた場合、その印象が強く残り購入をためらう可能性があります。

ランディングページは1ページで完結し、かつ縦にスクロールして読み進めていくという特性上、ストーリーを展開できます。商品価格を伝えた後に、コストパフォーマンスが優れていること、期間限定のキャンペーン実施中でお買い得であることなどを訴求すれば、購買意欲を高められるでしょう。

3つ目は、ホームページと訴求内容を変えられる点です。

多くの人がアクセスするホームページ上で、強めのセールスをかけると、うさんくさい印象を抱かれブランドイメージを毀損するリスクがあります。そのため「売上を上げるためにセールスしたい」「しかしブランドイメージを保ちたい」というジレンマが発生しがちです。

ランディングページなら、ブランドイメージの醸成はホームページに任せつつ、セールスを強化できます。ターゲットを絞っているかつ、広告から遷移したユーザーに限定的に表示されるため、売上拡大に焦点を当てたアプローチでもブランド全体に与える影響は少ないでしょう。

効果測定がしやすい

ホームページには用途の異なる複数のページがあるため、どのページを改善すればいいのか特定するのは難しいでしょう。一方で、1ページで構成され、かつ目的を1つに絞って制作するランディングページは、効果測定がしやすい点がメリットです。

ランディングページを制作するデメリット

ランディングページのメリットを把握した方は、さっそく制作しようと考えるでしょう。しかし制作にあたって「制作コストがかかる」「運用のリソースが必要になる」などのデメリットもあります。

デメリットを把握すると対策が立てられるので、よりランディングページの効果を引き出しやすくなります。各デメリットとその対策を見ていきましょう。

制作コストがかかる

ランディングページの制作には、ある程度の制作コストがかかる点は念頭に置く必要があります。ここでいうコストとは、時間的コストと金銭的コストの両方が含まれます。

コンバージョン数を増やすには、質の高いランディングページの制作が必要です。基本的にはWeb制作会社に依頼するケースが大半ですが、その道のプロとはいえ、すぐに制作できるわけではありません。

ランディングページの制作は、ターゲットやペルソナの選定から始まります。その後、魅力が十分に伝わるテキストや写真などを準備し、そこからデザイン制作、コーディングの実装へと進んでいきます。いずれの工程もランディングページの成果に大きな影響を及ぼすので、互いに認識をすり合わせるための打ち合わせが必要です。金銭的コストを抑えるために自社で制作する場合、納得のいくクオリティに達するにはさらに時間を要するでしょう。

また、ランディングページには、時間的コストに加えて金銭的コストもかかります。

ローコードやノーコードツールを使って、コストを抑えつつ手軽に作成することも可能ですが、良くも悪くも「普通」の見た目になってしまう点は否めません。ランディングページの成果を高めるには、インパクトのある見た目が重要なので、その分費用がかかります。以下は、費用ごとの発注先や特徴をまとめた表です。

金額発注先特徴
10万円以下フリーランス・安さ重視・デザインのカスタマイズ性には乏しい・自社で原稿や戦略を考える必要がある・改善サポートはないことが多い
10万円〜30万円フリーランス大手制作会社・ある程度こだわったデザインで作れる・自社で原稿や戦略を考える必要がある・改善サポートはないことが多い
30万円〜50万円中小規模の制作会社大手制作会社・オリジナルのデザインで作れる・原稿や戦略を準備してもらえる・改善サポートがあるかは、プランによる
50万円〜大手制作会社・オリジナルのデザインで作れる・戦略策定や他のWebマーケティング施策の提案もある

今では、スマートフォンからアクセスするユーザーも増えています。レスポンシブ対応は別途費用が必要になる場合もあるので、制作会社に依頼する際は内容を細かく確認しましょう。

運用のリソースが必要になる

ランディングページは制作して終わりではなく、運用のためのリソースが必要になる点もデメリットです。

公開後は仮説検証を繰り返しながら、適切な施策を実行したり改善案を取り入れたりして、ランディングページの効果を高めていきます。商品・サービスの内容や価格が変更された際には、アップデートなどの作業が発生します。

ランディングページの運用に伴い必要となる上記の作業を高い水準で実行するには、専門的な知識や経験が必要です。通常業務の傍らでできるような簡単なものではないので、ランディングページ運用専門の担当者を確保しなければならないでしょう。

また、リスティング広告やSNS広告を使ってランディングページを運用する場合は、金銭的なリソースも必要です。しかしこれらは、費用をかけたからといって必ずしも求める成果が得られるとは限らない点には注意してください。

自社の本来行うべき業務へのリソースを確保しつつ、Web広告でしっかり成果を狙いたい方は、実績豊富なWebマーケティング会社に依頼するのがおすすめです。

ランディングページの作り方

ランディングページを実際に作成するにあたって、どのような手順を踏めばいいのか分からない方もいるでしょう。ランディングページには、以下のように制作の基本的なステップが存在します。

  1. ペルソナを設定する
  2. 構成を作る
  3. コピーライティングを行う
  4. 効果検証・改善を行う

ランディングページを売上アップや認知度拡大に活用し効果を得るには、正しい手順に従って進めることが重要です。各ステップの内容を詳しく見ていきましょう。

1.ペルソナを設定する

まず行うのは、ペルソナ(persona)の設定です。ペルソナとは、商品・サービスの対象となる顧客像を指します。ペルソナでは年齢や性別、居住地、趣味、学歴、家族構成、職業、性格、年収、休日の過ごし方、ライフスタイル、最近の悩みなどを設定します。

商品・サービスの顧客像をイメージする点ではターゲットと同じですが、ペルソナではより事細かに各指標を設定し、一人の人物にまで具現化するのが特徴です。ペルソナを設定することで、「どのような悩みを抱えているのか」「より効果の見込める訴求方法はなにか」などが明確になるため、ランディングページ制作で大いに役立ちます。

ペルソナ設定は、以下の手順で進めてください。

  1. ユーザー情報の収集
  2. ユーザーデータの分類
  3. データを分析し一人の人物にまで絞り込む

ペルソナを設定する際に必要になるのは、ユーザー情報です。ユーザーへのインタビューやアンケート、Google Analyticsや各SNSのインサイト分析、公的機関から出された調査データなどを駆使して情報を収集しましょう。

続いて集めたユーザーデータを、以下のように分類します。

  • デモグラフィック:性別、年齢、居住地、学歴、家族構成、職業、年収など人口統計学的な属性
  • サイコグラフィック:趣味、性格、休日の過ごし方、ライフスタイルなど心理的な属性

最後に、データを分析し一人の人物に想定できるまで絞り込みます。例えば、以下のイメージです。

  • 年齢:28歳
  • 性別:女性
  • 居住地:東京都23区内の賃貸アパート
  • 趣味:映画鑑賞とカフェ巡り
  • 学歴:4年制大学卒業
  • 家族構成:夫と1歳の息子
  • 職業:IT企業の経理(育児休業中)
  • 性格:几帳面でこだわりが強い
  • 年収:450万円
  • 休日の過ごし方:平日と変わらず早起きして映画を観たり、カフェに行ったりする
  • ライフスタイル:1年前から育休を取り、息子の世話をして1日を過ごす
  • 最近の悩み:寝不足が続いて肌荒れしている

上記のようなペルソナ像を作る際に注意しなければならないのが、思い込みで作ってしまわないことです。裏付けられたデータを元に、必要な情報に絞って作成しましょう。

2.構成を作る

ペルソナを設定したら、ランディングページの構成を作ります。ランディングページは「ファーストビュー」「ボディ」「クロージング」の3つのパートで構成されます。

ファーストビューは、ランディングページに訪れたユーザーが始めに目を通すパートです。求めている情報があることをアピールしましょう。ボディではユーザーの悩みを言語化し、商品・サービスを紹介するパートで、共感を誘って商品・サービスに興味を持ってもらうことが重要です。クロージングでは、ユーザーの疑問を解消しアクションを促します。

各パートで必要となるのは、以下の要素です。

  • ファーストビュー
    • キャッチコピーやメインビジュアル
  • ボディ
    • 導入文
    • 商品・サービスの詳細
    • 実績紹介・ユーザーの声
  • クロージング
    • 利用までの流れ
    • よくある質問
    • 入力フォーム

各要素の詳細やポイントを見ていきましょう。

ランディングページを訪れたユーザーが最初に見るファーストビューでは、魅力的なキャッチコピーやインパクトのあるメインビジュアルを駆使して、興味付けします。「もちっと肌に!」「トラブル解消」などと、商品・サービスの魅力をダイレクトに伝える必要があり、コピーライティングが特に重要となります。

導入文はファーストビューを見て興味を抱いたユーザーに、「自分が求めているものだ」と認識させるために必要な要素です。「こんなお悩みはありませんか?」などと訴求し、悩みを言語化しつつ共感を得ましょう。

ユーザーの興味がさらに高まったところで、商品・サービスの詳細を紹介します。利用するメリットやベネフィット、競合他社のものにはない強み、スペックなどを過不足なく伝えましょう。混同しやすいメリットとベネフィットの違いは、以下のとおりです。

  • メリット:商品・サービス自体の強みや特徴(企業視点)
  • ベネフィット:ユーザーが商品・サービスを使うことで得られる明るい未来(ユーザー視点)

例えば、育児中の女性に向けた化粧水の販売を例にすると、以下のようなイメージです。

  • メリット:保湿して乾燥肌をケアできる・わずか3分でスキンケアが完了
  • ベネフィット:化粧ノリが良くなって日常が潤う・時間を取らないので忙しい育児の間で簡単にできる

メリットだけでなくベネフィットも訴求することで、より魅力が伝わります。

実績紹介・ユーザーの声は、ランディングページを見ている人に安心感を抱いてもらうために必要です。企業側からの一方的な視点だけでなく、第三者機関や利用者のレビューがあると、信頼感を高められます。

「利用までの流れ」と「よくある質問」は、ユーザーの疑問や不安に対して先回りで提供します。よくある質問では、問い合わせや相談が多い項目を載せておくと、企業側が個別に応える手間を省けるでしょう。アピールポイントや強みを、さらに強調する使い方ができる点も特徴です。

例えば、「なぜ、お肌に優しいのですか?」という質問に対しては「天然由来の成分を配合しているためです。」などと回答できます。ユーザーの不安を解消しつつ、商品・サービスの強みを取り入れるといいでしょう。

CTAボタンを押すと遷移する入力フォームは、ユーザービリティを考えると同一ランディングページ内にあるのが理想です。フォーム入力がわずらわしくて離脱するユーザーも意外と多いので、「無駄な入力項目はないか」「入力欄は分割されていないか」「正しく送信できるか」を確認しましょう。

3.コピーライティングを行う

人間心理を理解して行動を促すコピーライティングも、ランディングページの成果を左右する重要な要素です。コピーライティングができていないと、いくらデザインや構成が優れていても想定した結果は出ないでしょう。

ランディングページを読んでいる人にインパクトを与えるキャッチコピーを生み出すために、以下の項目を意識してください。

  • 数字で具体性を高める
  • 権威性を示す
  • 損したくない感情に訴えかける
  • ユーザー目線で書く
  • わかりやすい言葉を使う

各ポイントを見ていきましょう。

1つ目は、数字で具体性を高めることです。「短時間でケアが完了」よりも「わずか3分でケアが完了」の方が、ユーザーに具体的なイメージを抱かせることができます。

2つ目は、権威性を示すことです。有名メディアで取り上げられた実績や、多くの企業での導入実績があればユーザーからの信頼感は増します。

3つ目は、損したくない感情に訴えかけることです。人は何かを得る喜びよりも、失う悲しみを大きく捉えるといわれています。「この商品を使うとこんな素晴らしい効果が得られます。」よりも「現状のままだと手遅れになりますよ。」の方が訴求力が高く、行動を促せるでしょう。

4つ目は、顧客目線で書くことです。先述したようにメリットの訴求は企業側の一方的な視点ですが、ベネフィットを加えるとユーザー目線も取り入れることができます。

5つ目は、わかりやすい言葉を使うことです。難しい言葉や流行りのワード、過去にバズったキャッチフレーズを使いたくなるかもしれませんが、子どもでも理解できるコピーの方が、誰にでも同じ意図で伝わるでしょう。

4.効果検証・改善を行う

これまで何度もお伝えしているように、ランディングページは制作した後の運用も大事なので、効果検証・改善は必ず実施してください。改善は以下の流れで進めていきましょう。

  1. 現状の課題を分析する
  2. 改善策を考える
  3. ABテストを実行する

まずは、現状の課題分析から始めます。セッションに対するコンバージョン数を表すコンバージョン率はどれくらいか、コンバージョン数の推移はどうなっているかなどを確認しましょう。ランディングページのどこで離脱されているかを把握するために、ヒートマップツールを導入するのもおすすめです。

次に、課題に対する改善策を考えます。コンバージョン率が低い場合さまざまな要因が考えられますが「CTAボタンの訴求力が弱い」「ファーストビューのインパクトが弱い」「ベネフィットを訴求できていない」などが挙げられるでしょう。

続いて、改善策をABテストで実行します。ABテストとは、特定の要素を変更したAパターンとBパターンを作成し、ランダムにユーザーに表示させてどちらがコンバージョンを多く取れるか試すことです。

ABテストを実行する際のポイントは、要素を1つずつ変更することです。コンバージョン率に影響を与えるものには、キャッチコピーやデザイン、画像、CTAボタンなどいろいろありますが、一度に複数変更するとどの効果が大きいのか測定できません。

ランディングページ運用のコツ

ランディングページの目的は、「制作」そのものではなく、売上アップや認知度拡大などです。しかしコツを押さえておかなければ、最終的な目的の達成は難しくなります。

ランディングページの効果を最大限引き出すコツは「PDCAを回す」「MAツールのランディングページ作成機能を活用する」の2つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

PDCAを回す

ランディングページでは、常に効果を高めていくためにPDCA(計画・実行・検証・改善)サイクルを回すことが欠かせません。

ランディングページを最適化することを、LPO(Landing Page Optimization)と呼びます。LPOを実行すると、広告費削減やコンバージョン数増加に伴う売上アップなどが期待できます。

正しく、かつ実効性のあるLPOを実行するためには、Google Analyticsや各種解析ツールを活用するのがおすすめです。セッション数や流入経路、離脱率などを把握できるため、素早いPDCAサイクルを回せます。

ランディングページの効果を左右する重要なフェーズなので、実績のあるWebマーケティング会社や広告代理店に依頼するのもおすすめです。

MAツールのランディングページ作成機能を活用する

MA(Marketing Automation)ツールとは、新規顧客獲得や既存顧客とのコミュニケーションなど一連のマーケティング活動を自動化・効率化できるツールです。見込み顧客のスコアリングや自動メール配信、既存顧客管理、アクセス解析などが主な機能です。以下のように、ツールによってはランディングページ作成機能が搭載されているので、活用してみるのもいいでしょう。

  • HubSpot Marketing
  • Marketing Cloud Account Engagement
  • Adobe Marketo Engage

MAツールに搭載されたランディングページ制作機能を使うと、顧客管理やアクセス解析などを一挙に行えるため効率的です。しかし、コード管理機能がないため過去のランディングページを復元できなかったり、プレビューで挙動を確認できなかったりします。

MAツール導入前に、ランディングページに関してどのような機能が組み込まれているか確認しましょう。

まとめ

本記事では、ランディングページの概要やホームページとの違い、メリット・デメリット、制作ステップ、運用のコツなどを解説しました。

縦長の1ページで情報を網羅的に伝えるランディングページを上手に活用できれば、売上アップや認知度拡大などの効果が見込めます。「制作して終わり」ではなく、効果検証・改善を繰り返しながら運用するのが、ランディングページの成果を最大化させるコツです。

ランディングページの効果検証・改善を適切に実行し、最終的な目的を達成するには相応のスキルと経験が求められます。自社でリソースを確保できない場合は、広告代理店に依頼するのも検討しましょう。

Web広告運用代行サービスを14年以上運営しているジオコードでは、広告運用だけでなくランディングページの制作や効果改善も承っています。累計1,922アカウント、運用374アカウントと豊富な実績に加えて、GoogleやYahoo!JAPANから認められた確かな実力を元に、お客さまのビジネス拡大に貢献します。

ランディングページの制作を考えている方は、制作からWebマーケティング施策の実行まで、一環して提供しているジオコードへぜひご相談ください。

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