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2020年7月16日
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更新日:2023年 09月 15日
【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹
パーソナライゼーションは、顧客一人ひとりのニーズや要望を汲み取り、企業側から適切にアプローチするマーケティング手法です。顧客の価値観の変動や、AIによるサービスの普及により、パーソナライゼーションはマーケティングでますます重要となるでしょう。
自社のマーケティング活動にパーソナライゼーションを取り入れるためには、概要や導入方法、運用のコツなどを把握しておく必要があります。
そこで本記事では、パーソナライゼーションの概要やマーケティングで重要視される理由、パーソナライゼーションの重要なデータなどを解説します。パーソナライゼーションを高めるメリットやコツもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
パーソナライゼーションとは「個別化する・個人目当てにする」を意味する英単語「personalization」です。マーケティング領域では、顧客一人ひとりに最適なコンテンツやサービスを提供する手法を指します。以下は、企業が実施しているパーソナライゼーションの例です。
各企業のパーソナライゼーションの効果をご紹介します。
Amazonには購入履歴や検索履歴を基に、関連する商品をレコメンドする機能があります。全く関係のない商品をおすすめするのではなく、パーソナライゼーションにより顧客ごとに異なった商品をおすすめすることで、購入率が高まる効果が期待できます。
Googleのパーソナライズド検索は、ユーザーのアクティビティに基づき最適化された検索結果が表示される機能です。なるべく無駄な情報を表示させず、興味関心のある情報を提供することでユーザビリティが向上します。
Instagramの発見欄には、ユーザーが過去に閲覧したり反応したりした投稿を基に、関連性の高い投稿が表示されます。これは、アプリへの滞在時間を長くするための施策です。
パーソナライゼーションには、コンバージョン率(CVR)やエンゲージメントを高められたり、顧客自身も気付いていない潜在ニーズを掘り起こせたりするメリットがあります。情報収集チャネルや価値観の多様化により重要性が増しているので、積極的にマーケティング活動に取り入れてみてください。
パーソナライゼーションと似た言葉に、カスタマーライゼーションがあります。パーソナライゼーションが企業側が顧客に対してコンテンツやサービスを届けるのに対し、カスタマーライゼーションはユーザー自身がカスタマイズする行為です。
例えば、SNSのアカウント設定画面をユーザー自身が使いやすいように自分好みのレイアウトにしたり、機能を追加したりなどが該当します。アプリの通知設定や、ユーザー独自の単語を設定できる辞書登録なども、カスタマーライゼーションの一例です。
カスタマーライゼーションもパーソナライゼーション同様、マーケティングで重要視される概念ですが、徐々にパーソナライゼーションへの移行が進んでいます。なぜなら、ユーザーによってはカスタマイズを好まない可能性があり、高いユーザビリティを提供するには企業側から提案する必要があるためです。
パーソナライゼーションがマーケティングで欠かせない概念になりつつある理由を、次章で詳しく見ていきましょう。
顧客ごとに最適な価値を提供するパーソナライゼーションは、マーケティングで重要視されています。主な理由は、以下の3つです。
パーソナライゼーションで事業拡大や売上アップを図るなら、重要視されている背景を押さえておく必要があります。各項目の内容を詳しく見ていきましょう。
従来のマーケティング活動は、新聞やチラシ、テレビ、ラジオを通し企業が一方的に発信するのが一般的でした。
しかしインターネットの普及やSNSの発展に伴い、個人が容易に情報にアクセスするのが可能になり、多くの媒体が情報収集チャネルとなっています。この状況下では、顧客は企業が発信する情報を一方的に受け取るのではなく、自ら必要な情報を求めて検索やリサーチを行います。
これまでと同様に、不特定多数に向けて一方的に発信するだけでは、顧客に響かないでしょう。そのため、顧客ごとにカスタマイズされたパーソナライゼーションがマーケテイング活動で必要になります。
情報収集チャネルの多様化に伴い、個人でも情報を発信できるようになった結果、ユーザーの価値観も多様化しました。
自身で商品・サービスの情報を求めて検索エンジンで詳細を調べるだけでなく、SNSを通して使用感やレビューなどのリアルな声を重視する動きが強まっています。商品・サービスの質自体を高めるのはもちろん、ユーザー視点での改善を加えることも重要です。
そのためには、ユーザーの属性を理解し、趣味嗜好や興味関心に基づいてアプローチするパーソナライゼーションが有効となります。
顧客が商品・サービスを選ぶ基準は、機能や価格だけではありません。商品・サービスを通して得られるユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス)も重視しています。
似たような商品・サービスがあった場合、利用すればどのようなメリットがあるのか、カスタマーサポートは充実しているのかなども、判断基準となります。
良質なユーザー体験を提供するには、顧客ごとの特性を理解し、最適な施策を取らなければなりません。そのためには、マーケティング活動にパーソナライゼーションを取り入れる必要があります。
パーソナライゼーションに重要なデータは、以下の3つです。
各データの概要や、どのようにパーソナライゼーションに関わるかを見ていきましょう。
コンテキストとは、顧客の背景にある情報で背景情報とも呼ばれます。以下はコンテキストの一例です。
コンテキストは顧客ごとに最適な商品・サービスを提供する際に、考えるべき指標の一つです。例えば、パーソナライゼーションでテレビをレコメンドする場合を考えてみましょう。
一口にテレビといっても、画面サイズが異なるのはもちろん、インターネット接続の可否や録画機能の有無などの性能に違いが見られます。そのため、闇雲にレコメンドするのは得策ではありません。
テレビで映画を楽しむことの多い家族層をターゲットとするならファミリー層向けの大画面のテレビが、YouTubeや Netflixをよく観る一人暮らしの20代男性ならインターネットに接続できるテレビが最適だと考えられます。
コンテキストを把握すれば、顧客に最適な商品・サービスを届けられるようになります。
デモグラフィックは人口統計的属性とも呼ばれ、年齢・性別・職業・年収などの基本的な情報を指します。デモグラフィックを把握するには、会員登録を通して顧客のデータを集める他、アンケートを実施したりインサイトを分析したりするのが有効です。
パーソナライゼーションには、デモグラフィックを活用して顧客を理解することが欠かせません。例えば、顧客を分析した結果、以下が分かったとします。
上記のデータを元にすると、この顧客には家事や育児に関する商品・サービスを訴求するのが効果的だと考えられます。子供が2人いるので、子供関連のグッズやコンテンツを提供するのも良いでしょう。
ビヘイビアーは行動・振る舞いを意味する英単語「behavior」が元となっており、マーケティングでは顧客の行動データを指す用語です。ビヘイビアーには、以下の項目が挙げられます。
ビヘイビアーを元に分析できれば、より購入見込みのある顧客にアプローチできます。商品・サービスの販売促進のために、メルマガを配信している企業のケースを考えてみましょう。
ある顧客のメルマガ開封率は高いが、購入には至ってないとします。この場合、商品・サービス自体に魅力は感じているが、価格をネックに購入をためらっている可能性があります。
実際に購入してもらうには、特別なオファーを提供したり、割引を行ったりするのが有効です。
その他、購入履歴を元に関連する商品・サービスを提供する際にも、ビヘイビアーの分析が重要になります。
パーソナライゼーションで期待できる効果には、以下の4つが挙げられます。
パーソナライゼーションの各効果を解説します。
パーソナライゼーションにより、属性や趣味嗜好などを絞って顧客一人ひとりに最適な商品・サービスを提供できるので、エンゲージメントの向上が期待できます。
顧客ごとに最適化した商品・サービスを提供したり、レコメンドしたりすると顧客は「自分のことをより深く分かってくれている」「自分を一顧客として丁寧に対応してくれる」と好印象を抱きます。顧客ごとのニーズや要求を汲み取り、ユーザビリティを高めることも可能です。
上記のように良質な顧客体験を提供してくれる企業に、顧客はより興味関心を示すでしょう。その結果、顧客満足度が高まりエンゲージメントが向上します。
エンゲージメントが高まると、顧客が商品・サービスの良質な口コミを広げてくれるため、企業の評判が高まる他、SNSを介して話題になれば広告宣伝費の削減につながります。
また、エンゲージメントの高い顧客は継続して利用してくれたり、より上位のサービスや関連する商品を購入したりする可能性が高い点が特徴です。
コンバージョン率(CVR)とは、セッションに対してどれだけコンバージョン(CV)が得られたかを表す指標です。パーソナライゼーションにより顧客ごとに最適なコンテンツやサービスを届けると、コンバージョン率の向上が期待できます。ただ単に一般に広く受け入れられる商品と、顧客ごとに最適化された商品では、後者の方が顧客の興味を惹く可能性が高いためです。
コンバージョン率はパーソナライゼーションの効果が出ているか確認できる指標なので、最終的な目標を設定し、それを達成できるようPDCAサイクルを回しましょう。
マーケティングで重要となるコンバージョン率(CVR)はこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
※「コンバージョン率」の内部リンク挿入
パーソナライゼーションにより、既存顧客のエンゲージメントを高めつつ、顧客単価を向上させることも可能です。その方法には主に、アップセルとクロスセルの2つがあります。
アップセルとは、利用している商品・サービスよりも上位のグレードを訴求し、顧客単価を高めるマーケティング手法です。BtoB向けにSaaSをサブスクリプションで提供している企業事例を考えてみましょう。
基本グレードを利用している顧客の使用状況が、すでに利用上限の容量に達しているとします。ここで事業内容や事業規模に応じてカスタマイズした上位グレードのサブスクリプションを訴求すると、アップセルが成功しやすくなります。
一方のクロスセルとは、関連する商品・サービスの利用を訴求し、顧客単価を高めるマーケティング手法です。ECサイトでのレコメンド機能が、クロスセルに該当します。過去にパソコンを購入している顧客には、マウスやキーボード、チェアなどの周辺機器をレコメンドするパーソナライゼーションが有効です。
顧客ごとのニーズや要望を汲み取ったパーソナライゼーションには、顧客自身がまだ気付いていない潜在ニーズを掘り起こせる効果があります。
例えば、ECサイトで寝具の購入を考えている顧客のケースを挙げてみます。顧客自身も認識している顕在ニーズは「寝具が欲しい」です。ここでなぜ寝具が欲しいかを具体的に考えると「より深く良質な睡眠を取りたい」という潜在ニーズを掘り起こせます。
寝具に限らず、睡眠をサポートする商品・サービスはいくつかあるので、気持ちを落ち着かせるアロマや、健康食品・サプリなどをレコメンドすると、寝具とセットで購入する可能性が高まります。
上記のように潜在ニーズを掘り起こせると、顧客がより満足のいく商品・サービスを提供できるのはもちろん、結果的に企業の売上につながる点がメリットです。
パーソナライゼーションのコツは、以下の4つです。
自社のマーケティング活動に活かせるよう、それぞれのコツを押さえておきましょう。
パーソナライゼーションを成功に導くためにまず押さえておかなければならないのが、提供するタイミングをしっかり見極めることです。効果的なタイミングは、顧客が商品・サービスの利用を検討しているが、実際には購入には至っていないときです。
ECサイトの例を考えてみましょう。顧客がある商品をカートに入れてしばらく経っている場合、興味はあるが価格が高く購入に踏み切れていない可能性があります。購入を促すために、特別な割引をオファーするパーソナライゼーションが有効です。
また、商品・サービスの利用期間が迫っている場合も適切なタイミングです。サブスクリプションが切れそうなタイミングで、継続利用に必要な手続きをリマインドすると、あらためて契約してもらえるでしょう。
反対に、適切なタイミングかどうかを考えず企業側の都合で常にレコメンドや訴求をすると、顧客はわずらわしく感じます。そうなるとパーソナライゼーションの効果を最大限引き出すのは難しくなるだけでなく、最悪の場合自社の商品・サービスの利用をやめてしまったり、「広告が多い」「必要のないものを進めてくる」など悪い口コミが広がる可能性があります。
インターネットやSNSが普及した結果、従来の電話やメールに加えてLINEやInstagramのDMなど、多くのコミュニケーション手段があります。どのコミュニケーション手段を利用するかは、顧客に合わせて厳選するのが大事です。電話とSNSの例をご紹介します。
高齢の方はインターネットやスマートフォンに使い慣れていないユーザーも多くいるため、電話の方がアプローチしやすいでしょう。
一方で若年層には、気軽にコミニュケーションが取れるSNSを介してアプローチするのが有効です。
ユーザーの属性を理解し、どのコミュニケーション手段を用いればより効果が見込めるかを考えパーソナライゼーションを実施しましょう。
自社の売りたい商品・サービスを一方的に売るのではなく、ユーザーニーズを汲み取り適切なものを提供するのも重要です。顧客は、一般に広く受け入れられるサービスよりも、自分に最適なものを好む傾向があるためです。
ユーザーニーズに適した商品・サービスを提供するには、年齢や家族構成などの背景情報に加えて、購入履歴や閲覧履歴などのデータを集めます。アンケートやSNSでの口コミ調査も有効です。
ユーザーの顕在的なニーズだけでなく、その深層にある1番解決したい悩みは何かを思考すると、より効果的なパーソナライゼーションの施策を実行できるでしょう。
ユーザーの属性や背景情報から好みを考え、それに基づいたパーソナライゼーションを実行するのは重要です。しかし、必ずしも初めの予想通りに効果が出るとは限りません。そのため、A/Bテストを実施してユーザーの好みを探求しましょう。
A/Bテストとは、特定の条件以外を揃えたAパターンとBパターンを用意し、どちらがより成果につながるかを探るマーケティング手法です。
例えばECサイトで、あるセグメントの顧客層に対し、割引と送料無料のどちらをオファーすると購入率が高まるかを調査します。割引を訴求すると購入率が高まる結果が得られたら、その顧客層には割引の訴求というパーソナライゼーションが効果的だと判断できます。
顧客ごとに最適化されたパーソナライゼーションを実施するために、A/Bテストを1回だけでなく複数回実行するのも有効です。
パーソナライゼーションは、顧客一人ひとりに最適なコンテンツやサービスを届けるマーケティング手法です。ユーザーの価値観が変動している他、ユーザー体験を重要視する流れが加速している背景があり、必要性が増しています。
マーケティング活動に取り入れることができれば、コンバージョン率を向上させられたり、潜在ニーズを掘り起こしたりできるなど、さまざまな効果があります。顧客にどのタイミングで訴求するのか、適切なコミュニケーション手段はなにか、本当にユーザーが求めているかなどを確認しながら、パーソナライゼーションを進めてみてください。
しかしパーソナライゼーションは容易なものではなく、専門的な知識や経験をもとに戦略を立てる必要があります。そのため、自社内でリソースを確保できないケースもあるでしょう。その場合は、広告運用代理店に依頼するのも一つの選択肢です。
ジオコードは15年以上Web広告運用代行サービスを提供している、Webマーケティング会社です。累計アカウント数2,291件以上の豊富な実績と、GoogleやYahoo!に認められた確かな実力をもとに、お客さまの利益に貢献します。料金形態は分かりやすく、月額運用予算の20%が運用手数料となります。
マーケティング活動にパーソナライゼーションを取り入れたいとお考えの事業者の方は、ぜひジオコードのご利用をご検討ください。
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