Twitter広告でリマーゲティングしよう!テイラードオーディエンスの活用

【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹

Twitterには広告としてもさまざまな機能があります。SNSが急成長している現代では有効な配信媒体といえるでしょう。

今回はTwitter広告独自の機能の中から、テイラードオーディエンスについてご紹介していきます。活用することで既にTwitterでつながりのあるアカウントや、自社で情報を管理している見込み顧客、既存顧客などに対して、効率的に広告を配信できるようになるはずです。

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テイラードオーディエンスとは

テイラードオーディエンスは、Twitter上で広告を配信する相手を決める条件の1つです。

2021年9月現在、テイラードオーディエンスはカスタムオーディエンスと表記されています。広告主が持っている既存のデータをTwitter広告の配信先にカスタマイズし、ターゲティングするのです。テイラードオーディエンスをうまく活用すれば、Twitter上で既にコンタクトをとったことがあるアカウントや、過去に自社サイトを利用してくれたお客さまにアプローチできるようになります。

Twitter広告にテイラードオーディエンスを利用するメリット

テイラードオーディエンスを利用した広告配信は、全くの新規顧客に対して配信する場合と比べて、反響を得られる可能性が高いです。なぜならば既存データ上の顧客は過去に自主的に広告主を検索して訪問したり、サービスや商品を購入したりした経験がある人たちだから。テイラードオーディエンスでターゲティングすると、広告主のことを既に知っており、宣伝内容にも関心がある人に向けて、広告を配信できるのです。

Twitter広告の機能の中には、自分がターゲットとして選択した人だけでなく、その人と似たフォロワーを持っている別のユーザーまでターゲットに含めて配信できる機能があります。活用することで、より関心度の高い潜在顧客へのアプローチにもつなげられるでしょう。

また既存データを配信対象にできるだけではなく、除外対象に設定することも可能です。除外対象に設定すれば、新規顧客のみにアプローチできるようになります。初回購入限定のキャンペーンなどを行う際、キャンペーンが適用となる人だけに配信可能です。

さらには他のターゲティングと組み合わせて配信することで、相乗効果も期待できます。

こんな時にテイラードオーディエンスが必要

テイラードオーディエンスは、広告の内容に関心を持っていると予想される人だけに配信をしたい時に必要です。Webマーケティングの指標としては、購入完了など目標の状態までのCVR(コンバージョン率)を上げたい時を指します。配信条件をしぼることで、限られた予算のなかでより高いパフォーマンスを得られるはずです。

たとえば、過去にヒットした商品の販促をしたい場合を想像してみてください。このとき既存データのうち、購入や利用にまで至っていないオーディエンスをリストにして配信すれば、購入を検討していた人への再アプローチになります。定期的に必要になる類いの商品やサービスであれば、一定の期間に購入したオーディエンスをリストにすることで、追加購入したい時期の顧客への広告配信が可能です。

その他、既存商品の類似品やターゲット層が近い新商品を効率よくPRしたい場合にも、テイラードオーディエンスは有効な条件といえるでしょう。既存データのオーディエンスは広告内容に対して、過去の商品と同じくらいの関心を持ってくれると予想されます。また広告主へ一定のイメージが既にあるので、彼らにとって信頼できる広告を配信できるはずです。

企業やブランドへのファン作りにもテイラードオーディエンスは欠かせません。ライトユーザーをリストにしてアプローチすることで好感度を上げたり、過去CV(コンバージョン)したユーザーとコミュニケーションをとって顧客ロイヤリティを維持したりできます。

テイラードオーディエンス利用にかかるコスト

テイラードオーディエンスを利用したかどうかでは、Twitter広告の費用は変わりません。

一定の予算で広告を配信する際、無条件で配信した場合はあらゆる人が広告を目にすることになります。興味の無い人がたくさん広告を表示すると、予算だけが消化されてしまいCVRは上がりません。同じ費用でより効率的に広告を配信する手段となるので、テイラードオーディエンスは可能な限り活用するべきです。

3種類のターゲティング項目と使い方

テイラードオーディエンスで設定できる項目には3つの種類があります。それぞれ、設定の仕方や見込める効果が違います。1つずつ見ていきましょう。

独自に保有するオーディエンスリスト

オーディエンスリストは広告主が独自に保有している顧客データを使ってターゲティングする配信方法です。データは以下のうちのどれかでなければなりません。

・メールアドレス

・モバイル広告ID(iOS広告IDとGoogle広告ID、もしくはAndroid ID)

・Twitterユーザー名、アカウントID(@以降)

同じような配信手法に、FacebookのカスタムオーディエンスやGoogle広告のカスタマーマッチがあります。

実際に配信をするための手順は以下のとおりです。

1.  既存のデータから、ターゲティングに使用する顧客データのリストを作成する。
  ※リスト内のデータは改行またはカンマで区切る。
  ※ファイル形式は.csvか.txtで作成し、ファイルのサイズは10GB以下にする。

2.  Twitter広告にログインし、リストをアップロードする。

3.  広告を作成する。カスタムオーディエンスの欄でアップロードしたリストを選び、追加または除外するアカウントを選択する。
  ※リストとのユーザーとフォロワーが似ているオーディエンスを含める場合は、チェックボックスにチェックを入れる。

オーディエンスリストでターゲティングした広告を配信すると、アップロードした顧客データとユーザーのデータが一致した際に、広告が表示または除外されます。

フォロワーが似ているオーディエンスを含めた場合は、Twitterが似ていると判断したユーザーにも同様に配信可能です。または「オーディエンスを広げる」という項目でオーディエンスをどれくらい拡張するか、比率の選択もできます。拡張の段階はDEFINED<EXPANDED<BROADの順番で大きくなり、それぞれの定義は以下のとおりです。

・DEFINED:指定したオーディエンスの条件に最も近い類似オーディエンスに配信

・EXPANDED:絞り込んだアカウントとオーディエンスの条件にある程度一致するアカウントに基づく類似オーディエンスに配信

・BROAD:オーディエンスの条件と関連性の低いアカウントに加えて、絞り込んだアカウントと拡大したアカウントに基づく類似オーディエンスに配信

たとえば、自社のメルマガに登録しているユーザーのリストや会員登録しているユーザーのリストを基に類似配信を行うことで、さらなる新規ユーザーの獲得や休眠顧客の掘り起こしが見込めます。

Webサイトへの訪問履歴

指定のWebサイトを訪問したことのあるユーザーに対してターゲティングします。他のSNSなどでも良く使用されている、いわゆるリマーケティング(リターゲティング)です。

高い成果が見込める配信方法なので、Twitter広告で外部のWebサイトに誘導したい場合はぜひタグを設置しておきましょう。

訪問履歴をターゲティングに使用する手順は以下のとおりです。

1. Twitter広告にログインし、Webサイト訪問者を収集するためのタグを作成しておく。
  ※ユニバーサルウェブサイトタグの使用が推奨されている。
  ※オーディエンスのルールで、Webサイト内で何をした人をターゲティングするか決める。
  ※URLを指定する場合は条件を「URLの一部」にすることが推奨されている。

2. 表示されたタグをコピーし、Webサイトへ設置しておく。

3. 広告を作成する。カスタムオーディエンスの欄で設定済のタグを選び、追加または除外するのどちらかを選択する。
  ※リストとのユーザーとフォロワーが似ているオーディエンスを含める場合は、チェックボックスにチェックを入れる。

Webサイトにタグが配置されると訪問者のCookie IDの収集が始まり、Twitterユーザーと照合されます。GTMやYTMなどのタグマネジメントサービスを使用している場合は、それぞれの管理画面から設定も可能です。これらは、十分な数の訪問者IDを収集できてから広告配信に利用できるようになります。

たとえば、カート内のURLをテイラードオーディエンスのWebサイトでリストを作成しておくことで、カート落ちしたユーザーにリマーケティング配信が可能です。商品をカートに追加したが購入まで至らなかった(カート落ち)ユーザーは、購入する見込みが高いと言えます。行動を促すフレーズを広告文章やバナーに組み込むなど訴求内容を変えることで、カート落ちユーザーが購入してくれる可能性を上げることができるでしょう。

モバイルアプリを使った人のデータ

広告主のスマートフォンアプリでインストールや登録を行ったユーザーをターゲティングする方法です。アプリのデータを利用するので、アプリ上にトラッキングコードを設置する必要があります。

アプリアクティビティをターゲティングに使用する手順は以下のとおりです。

1. Twitter広告にログインし、利用するモバイル測定パートナーを選択する。
  ※Twitterと連携している外部の測定サービスを使う必要がある。

2. 連携先で各種設定を行う

3. 広告を作成する。カスタムオーディエンスの欄でモバイルアプリイベントを選び、追加または除外するのどちらかを選択する。
  ※リストとのユーザーとフォロワーが似ているオーディエンスを含める場合は、チェックボックスにチェックを入れる。

モバイルアプリもWebサイト同様に、アプリ上での特定の行動をリストとして作成できます。

たとえば無料体験版のアプリを使っているユーザーに対して、有料版へのアップグレードを促すようにリマーケティング配信することや、ECアプリの場合は特定の商品ページを見ているユーザーに対してリマーケティング配信を行うことが可能です。

テイラードオーディエンスの注意点

うまく活用できると大変便利なテイラードオーディエンスですが、利用の際にはさまざまな注意点があります。代表的なものは以下の3つです。

注意点1:テイラードオーディエンスは「OR条件」

テイラードオーディエンスは1つの広告グループに対して複数の設定が可能です。ただし基本の設定ではOR条件での組み合わせとなるため、設定した複数のオーディエンスのうちいずれかに含まれているユーザーは、広告配信の対象となります。数を追加すればするほどリーチが広がっていく仕組みです。

AND条件でテイラードオーディエンスを使用することも可能です。その場合はオーディエンスマネージャーの「柔軟なオーディエンスを構築」で、AND条件を設定する必要があります。

注意点2:オーディエンスのリストは100件以上必要

テイラードオーディエンスを使用するには、リストのオーディエンスサイズが少なくとも100以上なければなりません。数が少ない場合はステータスに「オーディエンスが小さすぎます」と表示され、実際の広告配信に進めないはずです。テイラードオーディエンスを使用する際は、オーディエンスサイズが不足していないか事前に確認してください。

注意点3:顧客データは大切に取り扱う

顧客データを使用してテイラードオーディエンスを作成する際はメールアドレスや電話番号など個人情報を取り扱うため、細心の注意を払いましょう。代理店に顧客データを渡す際は、事前にハッシュ化を行うことで安全に顧客データのやり取りができます。テイラードオーディエンスは、ハッシュ化したリストもアップロードできるので心です。

テイラードオーディエンス以外のターゲティング方法

Twitter広告にはターゲティングの条件を決める方法が複数あり、組み合わせて広告を作成できます。テイラードオーディエンス以外の条件は以下のとおりです。

オーディエンスの特性

オーディエンスの特性には、以下の条件と選択できる項目があります。

条件選択できる項目
性別すべて、女性、男性
年齢すべて、任意の範囲、日本限定の任意の範囲
場所国、地域、都道府県、市町村、都市圏、郵便番号
言語Chinese(zh)、Dutch(nl)、Farsi(fa)、Finnish(fi)、German(de)、Hindi(hi)、Indonesian(ID)、Italian(it)、Korean(ko)、Norwegian(no)、Polish(pl)、Russian(ru)、Swedish(sv)、Thai(th)、Turkish(tr)、Vietnamese(vi)、アラビア語(ar)、スペイン語(es)、フランス語(fr)、ポルトガル語(pt)、英語(en)、日本語(ja)

これらはAND条件です。

数を追加すればするほどリーチが縮まっていきます。

端末

端末では以下が選べます。

条件選択できる項目
オペレーティングシステムiOS、Android、その他のモバイル、デスクトップ
端末モデル Appleを含めた、20以上ある端末会社の各モデル
携帯電話会社 日本を含めた、世界30カ国以上の携帯キャリア会社
期間中に新しい端末を購入した利用者任意の期間

これらはAND条件です。

数を追加すればするほどリーチが縮まっていきます。

ターゲティング機能

ターゲティング機能では以下が選べます。

条件選択できる項目
キーワード任意のキーワード
フォロワーが似ているアカウント任意のユーザーアカウント
興味関心イベント、キャリア、ゲーム、コンピューター・テクノロジー、スポーツ、ビジネス、ファッション.スタイル、ペット、ホーム&ガーデン、ライフステージ、映画.テレビ、音楽.ラジオ、家族、科学情報、教育、金融、健康、自動車、社会、趣味.興味、書籍.文学、食べ物.飲み物、美容、法律.行政.政治、旅行それぞれの詳細カテゴリー
映画とTV番組任意のコンテンツ名
イベントエンターテインメント、オリンピック、スポーツ、その他、よく浮上するトレンド、会議、休日、政治それぞれの詳細カテゴリー
会話トピック任意のトピック

これらはOR条件です。

数を追加すればするほどリーチが広がっていきます。

なお、キーワードはテイラードオーディエンスと同様に除外することも可能です。

機能を活用して効率的なTwitter広告を配信しましょう!

Twitterはリツイート機能での2次拡散が期待できるため、同じ広告でも工夫次第で大きくリーチを広げられます。テイラードオーディエンスをはじめとしたターゲティングを使用して、しっかりとターゲットになるユーザーにアプローチし、CVRを上げていくことが大切です。

Twitter広告初心者の方は、まずはWebサイトへの訪問履歴を使ったリマーケティングから始めてみることをおススメします。独自のリストが準備できる方や、アプリの利用データを使える方はぜひ活用して、テイラードオーディエンスのメリットを最大限に生かした広告配信を行っていきましょう。

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