3c分析 -4Pとの違いと3つのCの分析方法-

【監修】株式会社ジオコード SEO事業 責任者
栗原 勇一

今回は、3C分析についてご紹介いたします。
3C分析を「聞いたことがある」という方は手をあげてください。

お、結構多くの方が聞いたことがあるみたいですね!
今回は3C分析の説明だけでなく、4Pとの違いやそれぞれの”C”の分析観点まで解説したいと思います。

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3C分析とは?

3C分析とは、「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」
の3つを分析することです。

マーケティングの分析には、主に外的環境を分析する「環境分析」と社内を分析する「内的分析」がありますが、3C分析はこの両方を分析できる方法として有名です。

分析するメリット – 内部環境と外部環境の分析 –

3C分析をすることにより、何が分かるのでしょうか?

先述の通り、3C分析は「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つのCに分かれています。
この3つを「外部環境」と「内部環境」に分けるとこうなります。

【外部環境】

  • 市場・顧客
  • 競合

【内部環境】 

  • 自社

つまり、3C分析を行うことで、「市場・顧客」と「競合」という外部環境と、「自社」という内部環境を両方とも分析することができます。

なお、3C分析では、自社や競合、顧客についての「事実」を集めます。
その事実から、マーケティングの「成功要因」を模索します。
つまり、3C分析のメリット・目的は「KSF(成功要因)発見につながる」ことになります。

この目的を意識しつつ、分析を行っていきましょう!

他スキームとの違い

3C分析は自社を取り巻く環境や、その中での自社の状況を整理し、成功要因につなげる「計画立案」のフレームワークです。

ですが、3C分析で行うことは「事実の明確化」までになります。
ここから先の「事実の解釈」や「KSF(成功要因)の考察」は別のフレームワークと合わせて行います。

例えば、自社の分析では「SWOT分析」というフレームワークと組み合わせるのが効果的です。
SWOT分析は、集めた事実を元に「強み」や「弱み」などを掛け合わせて分析を行います。

3C分析で集めた事実のデータが多く、精度が高ければ、ビジネスチャンスの見える化やリスクの回避につなげることが可能になります。

3C分析の方法

「顧客」「競合」「自社」の3つについて、それぞれの分析方法を説明します。

〇「市場・顧客」
市場や顧客は一般的に、市場の「マクロ分析」「ミクロ分析」を行い、その結果から顧客分析を行います。
下記のように分析を進めて行きます。

・市場のマクロ分析
「PEST分析」が一般的で、よく使用されます。

  • Politics(政治)
  • Economy(経済)
  • Society(社会)
  • Technology(技術)

要するにその市場におけるトレンドや法律、景気といったことの調査ですね。
基本的に自分の力で変えることはできませんので、現実を知り、どう対応するかを考えることになります。

・市場のミクロ分析
こちらは5フォース分析というものがよく使われます。
まずは調べる項目を見てください。

  • 新規参入の脅威
  • 業界内の敵対関係の強さ
  • 代替品の脅威
  • 買い手の交渉力
  • 売り手の交渉力

競合は強いか、強い競合が新規で入り込みやすいか、代わりとなるものが簡単に手に入るか、みたいなことを調べます。
驚異がわかっていれば、リスク回避や収益改善のための戦略立案に役立てることができます。

・顧客分析
マクロ・ミクロ分析の結果を元に顧客を分析していきます。
自身の市場において、ビジネスの環境が変わったら顧客はどういった影響を受けるのか。
こういったことを調べるのが目的になります。

一例はこちらになります。

  • 購買意思決定プロセス
    いつ、どこで、どういう流れで購入を決定するのか?
    購買の際に重視するポイントは?
  • ニーズ
    何を不満に思っているのか?
    どんな商品を欲しいと思っているか?

上記を「スマホ」で考えてみましょう。
例えば現在(2020年6月)は購入の際「通信の制限」が存在するため、「◯ギガまで通信可能」といった、通信量がニーズの一つとして考えられます。
「動画見放題」みたいなサービスが存在するのも、多分これが理由ですよね。

ですが今後5Gの普及などの市場の変化で、通信制限そのものが撤廃されるかもしれません。
そうなったら「通信量」には魅力はなくなりますよね…

こういった環境×顧客のニーズや行動を予測することが目的になります。

〇競合分析

競合と差別化するため、差別化が難しい場合は比較優位に立つために、この競合分析が役に立ちます。

下記の観点から競合の情報を集めましょう。

  • シェア
  • ビジネス(製品・サービス)の特長
  • 戦略
  • 業界内の立ち位置

競合分析を行う際、現時点の競合はもちろんですが、「将来的な競合」や「広い意味での競合」にも目を向けることが重要です。

将来的な競合とは、将来競合になり得る会社の事で、自動車メーカーであれば「将来業界に参入する可能性のあるGoogle」などが該当します。

広い意味での競合は、読んだままの意味ですね。
例えば、タクシー会社なら、競合のタクシー会社だけでなく、移動手段を提供する電車や、相乗りのマッチングサービスも競合になります。

このように、競合を考える際は広い視野で考えるように注意しましょう。

〇自社分析
こちらは「SWOT分析」がよく用いられます。
まずは何を調べるのかを見てみましょう。

S・・・自社の強み
W・・・自社の弱み
O・・・(外部環境の)機会
T・・・(外部環境の)脅威

次に、それぞれの観点から収集した情報を、下記のように掛け合わせて考えて行きます。

SO・・・強み×機会
ST・・・強み×脅威
WO・・・弱み×機会
WT・・・弱み×脅威

上記のような掛け合わせで結果を出したら、

  • O(機会)が逆にT(脅威)となり得る可能性は?
  • 弱みを強みに転換するには?

など、続く戦略立案のために活用しましょう。

自社分析は自社のことなので、表に出ていない「収益率」や「資源」といった情報も、分析に加えることが可能です。
また、技術的な面では、研究開発力・販売力なども入れて検討することもできます。

自社分析を行うにあたり、「市場・顧客」「競合」の情報は欠かせません。
3C全ての分析を経て「成功要因」を導き出す必要がありますので、これまでの調査に基づいた事実をまとめることがポイントです。

まとめ

このように、3C分析では、「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」という3つのCを分析する事を目的に、「事実」を集めていきます。

3C分析というフレームワークでは単体では機能せず、SWOT分析など別のフレームワークと組み合わせて行います。
分析の結果、マーケティング戦略に活かせる新たな気付きを得ることに繋がります。

マーケティングの失敗は「知らなかった」ではすまされません。
3C分析で事実確認を行い、成果が出るようにマーケティング活動を進めてくださいね。

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