順位を下げる逆SEOとは?目的や方法、自社が受けたときの対処法とは 順位を下げる逆SEOとは?目的や方法、自社が受けたときの対処法とは

【監修】株式会社ジオコード SEO事業 責任者
栗原 勇一

逆SEOは、自社を誹謗中傷するサイトがある場合に、相手の検索順位を下げるために行う対策です。SEOは自社サイトの検索順位を上げるものですが、逆SEOは自社にとってのネガティブサイトが対策の対象になります。逆SEOの手法を実施するには知っておきたいルールがあるため、よく理解し慎重に行わなければなりません。

本記事では、逆SEOの目的や手法、リスクや注意点について解説します。日頃からできる逆SEO対策についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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逆SEOとは?

逆SEOとは?

SEOは、自社サイトの検索結果を上位表示させるために行う施策です。商品やサービスのコンテンツが盛り込まれた自社サイトの検索順位を上げれば、サイトを訪れるユーザーが増えて商品の売上アップが期待できます。

逆SEOは、SEOとは異なり自社への誹謗中傷などのネガティブな情報を掲載しているサイトの検索順位を下げるための施策です。そのため「ネガティブSEO」「リバースSEO」などとも呼ばれています。SEOとは反対の対策のため、実施する方法も異なります。

逆SEOでは、キーワード検索の結果を意識的に操作することもあります。逆SEOの手法の中にはGoogleから推奨されていないものもあるため、対策の種類や注意点を十分に把握してから実施しましょう。

逆SEOの目的

逆SEOの目的は、自社にとって迷惑なネガティブサイトの検索順位を下げ、ユーザーによる検索数や対象サイトへの訪問数を減らすことです。これにより、ユーザーに自社への誹謗中傷などネガティブな情報が広まることを抑止する一定の効果が期待できます。

逆SEOで多いのは、自社の商品やサービスへの誹謗中傷が記載されているサイトの検索結果を下げて、自社のイメージが悪くならないようにする方法です。悪意に基づく根拠のない記事を掲載しているネガティブサイトの検索順位が高いと、自社の商品の売上に悪影響を及ぼす可能性があります。

誹謗中傷への風評被害対策としては、ネガティブサイトの運営者に連絡して対象の記事削除を依頼するのが本来の対処法です。その結果、運営側がネガティブな記事を削除する流れになれば問題ありません。しかし、ネガティブサイト側が依頼に応じなかった場合は、Googleからのコンテンツ削除や逆SEOについて検討する必要があります。

風評被害対策のための逆SEOの手法

風評被害対策のための逆SEOの手法

自社サイトへの風評被害対策として、逆SEOには複数の手法があることを知っておくと良いでしょう。ここでは、自社サイトを上位表示させて維持する方法の他に、ネガティブなコンテンツを削除する方法もあることを解説します。

自社サイトを上位表示させる

逆SEOの対策としておすすめの正攻法は、ネガティブサイトよりも自社サイトを上位表示させる方法です。ネガティブサイトへ流入しやすい検索キーワードを調査し、そのキーワードを自社サイトの記事に使うことで上位表示を目指します。

自社サイトを上位にするには、自社サイトがGoogleガイドラインに沿ったユーザーフレンドリーになっていることが基本です。逆SEOの手法を使う場合は、はじめにネガティブサイトの検索キーワードで検索し、上位の順位にあるサイトのタイトル名や記事の内容を分析します。その上で、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを含む記事を掲載したサイトを作成すると上位表示を目指せるでしょう。

ネガティブサイトに複数の検索キーワードが見つかった場合は、どのような傾向があるのかを分析し、それぞれのサイトよりも自社サイトを上位に表示させるようにするのも効果的です。ただし、複数のキーワードで同じサイトをインデックスさせるには、ドメインパワーを強化する対策も必要になってきます。

また、上位表示させるためにはSEOの評価基準を理解しておきましょう。詳しくは以下のページで紹介しています。

SEOの評価基準とは?webサイトの成功を導く重要な指標を解説
記事SEOの評価基準とは?Webサイトの成功を導く重要な指標を解説

上位表示を維持することが重要

自社サイトを上位表示することに成功しても、その後にネガティブサイトの方が上位になることもあります。ユーザーの検索意図が流動的なことから、Googleでは常にアルゴリズム調整を実施しているためです。ネガティブサイトよりも自社サイトの検索順位が下がってしまえば、思うような逆SEOの効果は期待できません。

逆SEOを実施した結果、自社サイトが上位に表示されたとしても、検索結果は常に動いていきます。そのため、対策をした後は自社サイトの検索順位の定期的にチェックすることが重要です。
ネガティブサイトの動きを見ながら、必要に応じて逆SEO対策を行うようにすれば、自社サイトの上位表示を継続できるでしょう。

検索順位の動きは「検索順位チェックツール」を導入すれば確認できます。ツールを活用しながら自社サイトとネガティブサイトの検索結果を常時チェックするのがおすすめです。自社サイトの順位が下がった場合は、記事の内容を再確認しながらユーザーの検索意図にマッチするようリライトすると良いでしょう。

サービス提供者にコンテンツの削除を申請する

自社サイトへの誹謗中傷などネガティブな内容の削除を依頼する場合、まずはサイトの運営者に直接連絡する方法があります。しかし、匿名電子掲示板や口コミサイトなどへの書き込みは、投稿者に直接連絡を取るのは困難です。この場合は、掲示板や口コミサイトなどのサービス提供者側に連絡してネガティブな内容を削除するよう申請します。

ただし、ケースによっては「プロバイダ責任制限法」のために申請が却下される可能性もあります。これは、サイトの運営者の損害賠償責任が制限される制度です。サービス提供者に削除の申請をしても通らないなど、ネガティブな記事の削除ができない場合は、警察や弁護士へ相談することも検討しましょう。

Googleにコンテンツの削除を申請する

ネガティブサイトに記載された記事の内容によっては、Googleが問題のあるコンテンツと判断して記事を削除する場合もあります。そのため、Googleにコンテンツの削除を申請するのも自社サイトを守るための一つの方策です。問題のあるコンテンツの一例として、次のようなケースが挙げられます。

  • 同意のない個人的な画像
  • 悪意のある偽の画像
  • 一部の個人情報や晒し行為
  • デジタルミレニアム著作権法(DMCA)や著作権の侵害など

ただし、Googleが検索結果から問題のあるサイトを削除しても、実際にはインターネット上にネガティブサイトは残り続けます。さらに、検索エンジンはGoogleだけではありません。Google以外の検索エンジンにはネガティブサイトが表示されてしまうため、根本的な解決にはならないでしょう。

ガイドラインに反した手法の逆SEOはリスクが高い

「Googleウェブマスター向けガイドライン」には、スパム的な手法やネガティブSEOの定義が記載されています。対象を定めて攻撃をするリスクの高い手法として定義されているのがスパム的な手法やネガティブSEOです。このような方法で自社サイトを優位に立たせることや、ネガティブサイトの検索結果を下落させるのは根本的な対策にはなりません。

検索エンジンからのペナルティや法律にも触れてしまう可能性があるため、ガイドラインに反した手法を使うのは避けましょう。あくまでもGoogleガイドラインに準拠した正攻法によって自社サイトを最適化させることが、逆SEOを実施する上での大切なポイントです。くれぐれもスパム的な手法を安易に使わないようにしましょう。

ガイドラインに反する逆SEOの手法

ここでは、Googleのガイドラインに反するリスクの高い逆SEOにはどのような手法があるのかを具体的に解説します。

【スパム的な逆SEOの手法】

  • 検索結果を下げたいサイトのコピーを大量に作り公開する

コピーが大量にあるサイトは、Googleがスパムサイトと捉えて評価を下げるため検索結果も下がります。

  • 質の低い被リンクを大量に作る

Googleは被リンクが多いサイトは上位表示させる傾向にありますが、低評価なサイトから大量の被リンクがある場合は偽りのサイトとしてペナルティを課し、検索順位を下げます。

  • ハッキングで対象サイトにウイルスを送る

ハッキングされた対象サイトの評価は下がりますが、「不正アクセス禁止法」に抵触する行為となります。

  • DMCA申請の申し立てをして削除依頼をする

適切な申請であれば削除されますが、実際とは異なる申し立てをして制度を悪用すると損害賠償が発生する場合もあります。

逆SEOで上記のようなスパム的な手法を使うと、違法行為になる可能性もあるため危険です。あくまでも正攻法の逆SEOの手法で対策しましょう。

逆SEOの注意点

逆SEOの手法を使っても、期待する効果が得られるまでには一定の時間がかかる点には注意が必要です。SEOと同様に施策を講じてもすぐには効果が出にくいため、自社サイトの検索順位は思うように上がらない可能性もあります。

ネガティブサイトのキーワードが持つドメインパワーが、自社サイトよりも強力な場合は特に気を付けなければなりません。

自社サイトのドメインパワーを強くするためには、一定の時間をかけて対策をしないと期待するような効果はなかなか得られません。Googleガイドラインを守りながら、できる限り短期間で成果を出したい場合は、SEO対策を専門的に行うプロに依頼するのも一つの手段です。

逆SEOを受けた場合の対処法

逆SEOを受けた場合の対処法

逆SEOは自社が行うケースだけではなく、他のサイトから自社サイトがターゲットとなるケースもあるため、逆SEOを受けた場合に備えておくことも必要です。ここでは、自社のライバル企業や競合他社から、悪質な手法の逆SEOを受けたときの対処方法を解説します。

被リンクを否認する

自社サイトに覚えのない質の悪い被リンクが見つかった場合は、スパム的な逆SEOを受けている可能性があります。このような被リンクをチェックするには、Google の「Search Console(サーチコンソール)」でWebサイトの被リンク一覧を閲覧すると良いでしょう。

Search Consoleで逆SEOによる迷惑なリンクを発見したら、まずはサイト側に削除するよう依頼します。しかし、あまりに被リンクの数が多い場合や、依頼しても削除に応じないときはSearch Consoleの「リンク否認ツール」を使うのがおすすめです。

リンク否認ツールを使うには、「リンク」の画面右上にある「外部リンクをエクスポート」をクリックします。不適切なリンクが見つかった場合は、被リンクを否認しておくと一定期間ののちに検索結果に反映されるでしょう。

リンク否認ツールとは?

リンク否認ツールは、Googleのガイドラインに反するネガティブサイトから被リンクされた場合に、リンクを否認することで悪影響を回避するものです。

【リンク否認ツールの使い方】

  • 否認するページまたはドメインをリスト化する
  • すでに否認リストがある場合は新たに置き換えられる
  • 否認リストをGoogleにアップロードする
  • 否認をすべて削除する場合は「否認をキャンセル」を選択する

ただし、Googleではリンク否認ツールを推奨していません。否認ツールは複雑な仕組みになっているため、慎重に使用するようヘルプページで警告しています。使い方を間違えると検索結果に悪影響が及ぶ可能性もあるため、削除申請をしても対応してもらえないこともあるでしょう。

弁護士に相談する

自社でネガティブサイトに対して逆SEOを実施しても、対象のページを削除できないこともあります。また、スパム的な逆SEOの手法を受けて悪質な被害が出ている場合は、法律の専門家である弁護士に相談することを検討してみましょう。

逆SEOで競合などからDMCA申請を受けてサイトが削除されるケースなど、法律の知識がないと対応できないトラブルもあります。自社サイトの信頼を取り戻すには、記事の内容に問題がないことは法律を根拠に申し立てをしなければなりません。

日頃からできる逆SEOへの対策

たとえ競合から逆SEOを受けるような事態になったとしても、常に上位表示を維持するために日頃からできる対策をするのがおすすです。ここでは、ドメインパワーの強化や被リンクをチェックして逆SEO対策をする方法について解説します。

ドメインパワーを強化する

ドメインパワーとは、ドメインが持つ検索エンジンからの評価の高さのことです。検索エンジンは常にインターネット上をクロールしてサイトを評価しています。ドメインパワーが強いほど検索エンジンからの評価や信頼性が高いことを示します。

ドメインパワーを強化するには、良質なコンテンツを増やしながら頻繁にサイトを更新をする、信頼性の高い被リンクを集めるのがおすすめです。そうすれば、時間はかかっても高品質なサイトとして評価されドメインパワーの強化にもつながるでしょう。

ドメインパワーについては、以下のページで詳しく解説しています。

記事SEO対策で重要な「ドメインパワー」の確認方法と強化する方法は?

被リンク元を確認する

自社サイトの検索順位が急に下がった場合は、何らかの逆SEOを受けている可能性があります。Google のSearch Console(サーチコンソール)を使うと、迷惑な被リンクの運営元を確認できます。また、逆SEOの影響で自社サイトがペナルティを受けているかどうかの確認も可能です。

【サーチコンソールの使い方】

  • サーチコンソール画面の「リンク」を選択する
  • 画面右上の「外部リンクをエクスポート」を選択する

不適切なリンクが見つかった場合は、リンク否認ツールを使ってリンクを否認することも検討しましょう。

SEO対策をしっかり行えば、逆SEOも効果が出やすい

逆SEOは、自社サイトをネガティブサイトよりも上位表示させるための施策です。日頃からSEOを適切に行い自社サイトを上位表示できていれば、逆SEOを行う場合も逆SEOを受けたときにも被害は少なくできます。

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