順位を下げる逆SEOとは?目的や方法、自社が受けたときの対処法とは
2023年8月24日
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更新日:2024年 02月 19日
【監修】株式会社ジオコード SEO事業 責任者
栗原 勇一
医療系のコンテンツ制作は難易度が高く、困っているWeb担当者は多いのではないでしょうか。医療系のコンテンツを制作する際は、医療広告ガイドラインを熟知しておく必要があります。
本記事では医療広告ガイドラインについて、規制範囲や対象、禁止事項などを解説します。医療広告ガイドラインを守りながらSEOコンテンツを制作する方法も紹介するので、Web担当者はぜひ参考にしてください。
目次
医療広告ガイドラインは、医療行為に関する広告に対する規制を法的にまとめたものです。かつて医療関連のWebサイトには、明確な規制はありませんでした。しかし、広告関連のトラブルが増えるにつれ、しだいにWebサイトにも規制を求める声が増えていきました。
状況を重くみた関係者は、2017年の通常国会にて、医療に関する広告規制の見直しを含む医療法等改正法を成立させています。そして、法改正に伴い、医療広告ガイドラインの規制対象にWebサイトも追加されました。
医療広告ガイドラインには、配信が禁止される広告や広告可能な事項の具体例などが記載されています。ガイドラインを理解することで、Web担当者は適切なコンテンツを制作できるようになるでしょう。
医療広告ガイドラインを守ってコンテンツを制作すべき理由は、コンテンツを閲覧するユーザーの利益や健康を守るためです。根拠がなく不確かな情報がWebサイトに掲載されていると、ユーザーの健康や命が危険にさらされる恐れがあります。
たとえSEOのためであっても、医療広告ガイドラインを守らないコンテンツは認められません。Web担当者は、医療広告ガイドラインを守りながらSEO対策をしましょう。
医療広告ガイドラインを守らない企業は、是正勧告や立入検査を受けたり、行政処分を受けたりする可能性があります。医療広告は、厚生労働省から業務を委託された「医療機関ネットパトロール」によって監視されています。仮に医療広告ガイドラインに違反していると通達を受けた場合は、早急にコンテンツを修正してください。
医療広告ガイドラインでは、実質的に広告と判断されるものや間接的に広告と判断されるものも、すべて規制対象となります。①および②のいずれの要件も満たすものは、医療広告ガイドラインの対象です。
① 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
② 医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)
医療機関が広告目的で作成したものではなくても、医院長や医療機関などの名称があれば広告とみなされる場合があります。
なお、医療広告の対象となる媒体には、チラシ・パンフレット・ポスター・看板・新聞紙や雑誌などの出版物・メール・Webサイトなどが挙げられます。
※引用:厚生労働省. 「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」
医療広告ガイドラインでは、以下の5つの医療広告を禁止しています。
比較優良広告とは、他の施設よりも優れたサービスを提供するという意味の広告です。誇大広告は、嘘ではないものの極端な表現や化学的根拠が乏しい表現を指します。
詳細はのちほど解説しますが、体験談や治療前後の写真などを載せる場合も、医療広告ガイドラインに抵触することがあるので注意しましょう。もし具体性にかける内容であれば、妥当な内容であるとは認められません。
※引用:厚生労働省. 「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」
比較優良広告の一例は以下のとおりです。最上級表現や、有名人が推薦しているような言い回しは避けましょう。
誇大広告には、以下のような表現があります。比較対象が分からない表現や、根拠のない表現は避けてください。
体験談を掲載する場合は、ターゲットに誤認させないように気をつけましょう。個人の状況しだいで、治療の結果や、治療に対する感想は変わるためです。体験談どおりの結果や感想が、これから治療を受けるユーザーでも再現されるとは限りません。
また、基本的に治療の前後の写真は単独で掲載できません。治療前の写真のみ、治療後の写真のみでも、掲載が禁止されています。治療内容や副作用などのリスク、費用を詳しく説明したときのみ、写真の掲載が認められます。
ユーザーが情報を円滑に入手できるように、以下に示す2つの医療広告は配信が認められています。
ただし、配信する場合はユーザーの誤解を招かないような表現を意識しなくてはなりません。例えば、コンテンツの本文よりも小さな字で注意書きを記載したり、明らかに相場とかけ離れた費用を記載したりすると、医療広告ガイドラインに違反したとみなされる場合があります。
医療広告ガイドラインを守ってコンテンツを制作することは、難しいかもしれません。文字を書くだけで精一杯で、SEOまで手が回らないWeb担当者もいるでしょう。
しかし、SEO対策をすると、集客数が高まりクリニックや医院への信頼度も増します。無料で長期的な資産をつくれるところも、SEO対策をするメリットです。医療広告ガイドラインを守りつつ、SEOに取り組みましょう。
SEO対策により集客数がアップする理由は、Webサイトが検索上位に表示されるようになるためです。
クリニックや医院に集客するためには、まず施設の認知度を高める必要があります。しかし、Webサイトが検索上位に表示されなければ、ユーザーがWebサイトの存在に気がつかないかもしれません。検索上位に表示させたWebサイトをクリックしてもらい、施設の認知度を高めましょう。
SEO対策をすることで施設への信頼度が増す理由は、「上位表示されるWebサイトは信用できる」とユーザーに思ってもらえるためです。Webサイトを検索上位に表示させるためには、Googleに良質なWebサイトと判断してもらう必要があります。つまり、上位表示されるWebサイトは、いわばGoogleの「お墨付き」をもらったような状態です。
クリニックや医院での治療は、ユーザーの生活や健康に大きな影響をもたらします。信頼できると感じさせる施設でなければ、ユーザーに選ばれません。SEOで信頼度を高め、ユーザーに選ばれる施設を目指しましょう。
SEO対策によって無料で長期的な資産をつくれる理由は、コンテンツの制作にはお金がほとんどかからないためです。
ドメイン取得費用やサーバーレンタル費用などは発生しますが、すでにWebサイトを持っているクリニックや医院なら、SEO対策自体はほぼ無料です。また、自分たちのWebサイトを持っていれば、コンテンツを半永久的に掲載できます。
集客方法にはWeb広告もありますが、出稿には高額な費用が必要で、掲載期間も決まっています。詳しいWeb広告の知識がなければ、お金をかけても思うように集客できないかもしれません。費用対効果の高い集客方法として、SEOに取り組みましょう。
SEO対策をする際は、クリニックや医院ならではのポイントを押さえましょう。コンテンツのターゲットは、施設に来てくれる可能性が高い地域住民です。ターゲットに信頼性と権威性が伝わる分かりやすいコンテンツを制作してください。また、医療関連のコンテンツでは、薬機法を遵守する必要があります。
クリニックや医院が地域住民をターゲットにするべき理由は、施設近辺に住む住民ほど受診してくれる可能性が高いためです。駅前など利便性の高い場所で開業している場合は遠方からの来院も見込めますが、多くの場合、施設のターゲットは地域住民でしょう。
自院を受診してもらうには他の施設との差別化が必要です。地域にどのような施設があるか調査して、自院を受診するメリットが伝わるコンテンツを作成しましょう。
クリニックや医院が信頼性と権威性を重視してコンテンツを作成すべき理由は、YMYL領域では「情報の信ぴょう性」が検索順位に影響するためです。信頼性と権威性を示すと、コンテンツの信ぴょう性が高まります。
YMYL(Your Money or Your Life)は、人の人生や幸福に影響を与えるジャンルです。医療機関やクリニックが掲載するコンテンツは、YMYL領域に属します。
コンテンツの信頼性と権威性を高めるには、在籍する医師のプロフィールや紹介文、経歴などを掲載しましょう。また、外部の医療機関との相互リンクも、コンテンツの信頼性と権威性を高めます。
ユーザーは全員が専門知識を持っているとは限らないため、分かりやすいコンテンツが好まれます。
専門性をアピールしようとしても、難しい言葉ではコンテンツの内容が伝わりません。SEOを駆使してWebサイトを訪問してもらっても、コンテンツが分かりにくければ自院の印象を損ねる恐れがあります。
医療分野のコンテンツは、症状や治療名などに専門用語が多くなりがちです。ターゲット目線になってコンテンツを制作し、分かりにくそうな部分は注意書きなどで詳細を説明しましょう。
医療関連のコンテンツでは、医療広告ガイドラインに加え薬機法も守る必要があります。薬機法とは、医薬品などの製造や販売について定めた法律のことです。医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器は、薬機法の対象です。
薬機法を守らないと、業務停止命令を受けたり、課徴金の納付を命じられたりする可能性があります。3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの刑罰の両方が課される場合もあります。薬機法に抵触しないようにコンテンツの内容を精査しましょう。
薬機法では、特定の病名や、医学薬学上認められている範囲を超えた表現を禁止しています。薬機法で避けるべき表現を、一部紹介します。
表現を変えると薬機法への抵触を避けられる場合があります。例えば、「肌荒れが改善する」は「肌を健やかに保つ」、「貧血が治る」は「精力的に活動できる」などとと言い換えるとよいでしょう。
なお、ここで紹介した避けるべき表現や言い換えは、あくまで一例にすぎません。薬機法ライティングに使えるチェックツールを活用したり、薬機法の知識を身につけたりして対処しましょう。自院では難しい場合は、薬機法に詳しいWeb制作会社にコンテンツ制作を依頼するという手もあります。
クリニックや医院におすすめのキーワードを具体例を挙げて紹介します。ターゲットが検索しそうなキーワードを選定することが、SEOの第一歩です。以下の内容からキーワードを選定しましょう。
クリニックや医院だと示すキーワードには以下が挙げられます。
単独のキーワードで上位表示されると、大きな流入が見込めます。ただし、単独のキーワードには競合も多いため、キーワードを2~3個組み合わせてコンテンツを作成するのがおすすめです。例えば「自院の名称 〇〇市」「総合病院 〇〇科」などのキーワードを考えましょう。
クリニックや医院のターゲットは地域住民であるため、地域に関するキーワードはコンテンツ制作において欠かせません。地域に関するキーワードには以下が挙げられます。
「〇〇市 〇〇科」「〇〇市 症状名」「〇〇駅 徒歩〇分 〇〇科」などのキーワードで上位表示を狙いましょう。
症状や診療内容を含むキーワードの例は以下のとおりです。
症状や診療内容を含むキーワードで検索するユーザーは、地域住民に限りません。狙ったキーワードで上位表示できると、多くの流入が見込めるでしょう。しかし、症状や診療内容を含むキーワードは、全国のクリニックや医院が盛んにコンテンツを制作しています。競合が多いため、ユーザーニーズに合うキーワード選定が重要です。
まずはGoogleキーワードプランナーなどの分析ツールを使い、自院のWebサイトを訪問したユーザーが、どのようなキーワードで検索しているか調べましょう。多く検索されていたキーワードが、メインキーワードです。
続いて、メインキーワードに関連するミドルキーワード、ロングテールキーワードを、分析ツールを使って洗い出します。キーワードごとに検索ボリュームを調べ、流入が見込めるキーワードを抽出します。さらに競合サイトのキーワードも調べるとよいでしょう。競合サイトのキーワードの傾向が分かれば、自院との差別化が可能です。
クリニックや医院におすすめのコンテンツを紹介します。ターゲットが知りたい情報を盛り込んだコンテンツを作成しましょう。以下の4つの内容について紹介します。
医院長の挨拶、院内の様子やスタッフなどを紹介する理由は、クリニックや医院を選ぶ際に、医師の人柄や施設の雰囲気を重視する人が多いためです。顔写真付きの自己紹介や院内の写真を掲載して、ユーザーに安心してもらいましょう。
スタッフがブログやSNSなどを運営していれば、それらのリンクを貼るのがおすすめです。日常的な様子が分かると、施設に対して親しみを持ってもらえます。
診療方針に納得した上で来院してもらえれば、受診時のトラブルを避けられます。診療方針の説明には、「予約制で待ち時間を短縮」「土曜・日曜も診療」「子育てを応援」などの書き方があります。
また、所有する設備の情報も必要です。あまり他の施設では見られない設備があれば、差別化のために積極的に掲載しましょう。
健康や病気に関する情報を紹介すると、今まさに悩みを抱えている人が検索から流入する可能性があります。基本的にユーザーは近隣で医院やクリニックを探していますが、珍しい病気を診療していると分かれば、遠方からでも受診してくれるかもしれません。
「○○専門医師による診療」など、医師の専門分野を記載し、検索ボリュームの大きい治療名や治療薬を盛り込んでコンテンツを作成しましょう。
季節性の病気や症状は、一時的に検索ボリュームが増大する可能性があります。検索が増える時期に、それぞれの病気や症状に関するお役立ちコンテンツを掲載して、流入を増やしましょう。季節性の病気や症状の例は以下のとおりです。
医療広告ガイドラインは、医療行為に関する広告への規制を法的にまとめたものです。医療広告ガイドラインでは、比較優良広告や誇大広告、公序良俗に反する広告などが禁止されています。禁止事項に触れないようにコンテンツを制作しましょう。
クリニック・医院のSEO対策では、キーワード選定を重視し、医療機関ならではのYMYL領域コンテンツを充実させる必要があります。自院でのSEO対策は難しい、プロに任せたいというときは、ぜひジオコードへご依頼ください。