SEM・SEO・リスティング広告の違いを徹底解説!効果的な活用法も紹介
2023年6月2日
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更新日:2023年 08月 28日
【監修】株式会社ジオコード SEO事業 責任者
栗原 勇一
検索エンジンは自社商品の認知や購買行動のきっかけとなる巨大なプラットフォームです。検索エンジンに上位掲載されれば、特定のニーズを持ったユーザーを自社サイトに流入させられます。
そのためには、まず検索エンジンの仕組みを知ることが大切です。
本記事では検索エンジンの仕組みや主な機能、代表的な検索エンジンの種類、上位表示を目指すためのポイントなどを解説します。SEOやコンテンツマーケティング、リスティング広告の運用などの成果を高める参考にしてください。
目次
はじめに検索エンジンの概要や、世界と日本の検索エンジンのシェア率について紹介します。
検索エンジンとはインターネット上のWebページ・画像・動画の中から自分が求める情報を探せるシステムです。検索ボックスにキーワードを入力すると、検索エンジンが検索ニーズを満たす情報を抽出して検索結果ページに表示します。日本ではGoogleやYahooの検索エンジンが代表的です。
インターネット初期の検索エンジンは人間が質のよいサイトを集めて紹介する「ディレクトリ(住所録)型」でした。しかし、膨大なサイトが存在する現在では、クローラーと呼ばれる巡回ロボット(プログラム)が情報収集して掲載の有無や順位を決める「ロボット型検索エンジン」になりました。
statcouterの調査(※)によると、2022年5月~2023年5月時点の世界の検索エンジンのシェア率は以下のとおりです。
※参考:statcounter. 「SearchEngineMarketShareWorldwide」.
このように世界シェアはGoogleの独占状態です。続いて日本のシェア率をみてみましょう。
世界シェアに比べるとやや下がりますが、日本でもGoogleは圧倒的なシェアを誇っています。(※)
1998年に創業したGoogleは2000年にYahoo、2003年にAppleのSafariの検索エンジンに採用されるなど急速に成長し、2011年にはユーザー数10億人を突破。その後もシェアを伸ばして現在に至っています。
※参考:statcounter. 「SearchEngineMarketShareJapan」.
検索エンジンは多くのユーザー行動の起点になります。つまり、検索エンジンの検索結果ページ上位に掲載される対策=SEO(検索エンジン最適化)は、企業活動にとって大きな意味を持つのです。
上位掲載されるためには、まず検索エンジンの仕組みを知らなければなりません。ここでは「クローリング(Webページ検出)→インデックス(データベース登録)→ランキング(検索結果の表示)」の順に解説します。
クローリングとは、クローラーと呼ばれるロボット(自動プログラム)が、インターネット上のWebページの情報のリンクをたどって収集するプロセスを指します。クローラーは世界中の新しいページや更新されたページを巡回してテキスト・画像・動画などをダウンロードしています。
新しいWebページを作成した際はクローラーに認識してもらう必要があるので、クローリングされないと検索結果に表示されないのです。
またSEOの観点ではクローラーに理解されやすいページにすることが重要です。具体的には「サイトマップを送信する」「ディレクトリ構造をシンプルにする」「被リンクを増やす」などの対策を行います。各対策について詳しくは次項で解説します。
サイトマップを送信するとは、クローラーに検出してもらいたいページのリスト(サイトマップ)を検索エンジンに渡すことです。これによって、ページを早く見つけてもらえる効果が期待できます。
例えば企業ページなら「会社について」「商品について」など、カテゴリごとにコンテンツが整理されているでしょう。これらの構造やURL、更新日時などをXMLやHTMLの構造化ファイルで記述して送信します。
Googleの場合「Googleサーチコンソール」というGoogleから無償提供されているSEO用ツールでサイトマップの送信ができます。ツールを使えば専門的な知識がなくてもサイトマップが送信可能です。また、個々のページをいち早く検出してもらいたい場合は「URL検査ツール」からインデックス登録をリクエストする方法もあります。
一般的にWebサイトは、カテゴリごとにフォルダを作って各ページのファイルを格納します。
例えば「トップページ>商品紹介>商品A」のようなパソコンと似た階層構造でフォルダやファイルを管理するケースが多いでしょう。これらの階層全体がディレクトリ構造です。
ディレクトリ構造をシンプルにするとクローラーがWebサイトを漏れなくスムーズに巡回しやすくなります。また、クローラーが階層構造やカテゴリを正しく理解しやすくなります。
ディレクトリ構造をシンプルにするには、階層を3つ程度までにするとよいでしょう。
つまり、トップページに訪れたユーザーが2クリック前後で目的のページを見つけられる構造にします。この際、階層は下にいくほど具体的になるようにしましょう。例えば先に挙げた「トップページ>商品紹介>商品A」のようにします。
被リンクは他サイトにある自社のリンクです。クローラーはリンクをたどってサイトを検出するため、被リンクが多いとサイト認識までのスピードが上がります。さらに被リンクが多いサイトは有益性、信頼性が高いと評価されやすいため、後述するランキングでも優位に働きます。
被リンクを増やすには高品質なコンテンツを作成するのが基本です。他サイトからリンクを張りたいと思ってもらえなければ被リンクは増えません。
具体的には専門性を担保したり、最新情報を掲載したり、コンテンツにオリジナリティーを持たせたりするなどです。また、Webメディアにタイアップ記事(記事広告)を依頼して記事内にリンクを記述する方法もあります。
インデックスは検索エンジンがクローリングした情報を分析してカテゴリに分けて登録するプロセスのことです。検索エンジンはWebページのテキスト・画像・動画・タグ・属性などを処理してインデックス(大規模なデータベース)に登録します。
例えば液晶テレビの製品比較ページなら「液晶テレビ 比較」などの関連度の高いキーワードに表示する候補に登録されます。逆にいえばインデックスされていないページはどの検索結果にも表示されないということです。
ただしクローリングされれば必ずインデックスされるわけではありません。例えばコンテンツの質が低いページ・他と重複しているページ・インデックス登録が難しいデザインのページ・インデックスを拒否する設定になっているページなどはインデックスされないでしょう。
インデックスされているかを確認するには2つの方法があります。一つはGoogleサーチコンソールのURL検査でURLを入力してステータスを確認する方法です。もう一つはGoogleの検索枠に直接URLを打ち込んで検索結果に表示されるかを確認する方法です。
ランキングとはインデックスされたページをアルゴリズムに沿って評価し、キーワードに対する関連性に応じて順位付けするプロセスです。ランキングが高ければ高いほど検索結果の上位に掲載されます。
統計的には掲載順位が高いほどクリック率が高くなるため、サイト運営側は検索エンジンから高い評価を受けるポイントを知っておきたいところです。いくらユーザーに有益なページを作っても検索エンジンが理解しにくい構造や記述になっているなどの不備があれば掲載順位が下がってしまいます。
検索エンジンのアルゴリズムとは何かについて次項で具体的に解説します。
検索エンジンのアルゴリズムとは、検索結果の順位を決めるロジックやルールのことです。アルゴリズムは原則非公開ですが、おおまかな基本方針は公開されているためそれに従ってサイトやページを作成すると評価を得られるでしょう。
Googleの場合「最も関連性と信頼性の高い情報を提示する」「ユーザーの情報アクセスを最大化する」「最も有用な形で情報提供する」という基本方針で一貫して運用されています。不定期で行われるアップデートもこれらの目的に沿った内容です。
Googleは精度の高いランキングにするために数百個にも及ぶアルゴリズムを採用し、検索結果を決めているとされています。そして、各アルゴリズムには「ランキングシグナル」という要素を元にサイトやページを評価しています。ランキングシグナルについて、次項で詳しく見ていきましょう。
ランキングシグナルは検索キーワードと関連度が高く、ユーザーにとって有益な情報を掲載する目的で設計されています。Googleが使用するランキングシグナルの代表例を幾つか紹介します。
すべてのシグナルを満たすのは難しいため、Webページと関連度が高いシグナルへの対策を優先します。
ここでは、Google検索エンジンの主な機能を紹介します。機能を理解しておくことでプロモーションに活用したり、SEOの精度を高めたりすることが可能です。
Googleの検索エンジンには「リスティング広告」が掲載されます。リスティング広告とは、「検索連動型広告」とも呼ばれ、検索語句に連動して表示されるテキスト形式の広告です。掲載位置は検索結果ページの上部で、オーガニック検索よりも上に表示されます。リスティング広告は、広告だとわかるように「スポンサー」と識別マークが付けられます。
リスティング広告は代表的なWebマーケティング手法の一つです。広告費を出せば、SEOなしでオーガニック検索より目立つ位置に広告を表示できます。それによって、何らかのニーズが「今」顕在化している検索ユーザーに広告を表示し、自社サイトへ誘導できます。顕在層向けのリスティング広告は、成果につながりやすく即効性が高いのが特徴です。
検索エンジンのメイン機能といえるのがオーガニック検索の表示です。オーガニック検索の表示枠には、検索エンジンがキーワードと関連度が高く有益であると判断したWebページの順番で検索結果が表示されます。オーガニック検索はリスティング広告があれば、その下部に表示されます。
オーガニック検索の上位掲載を狙うのがSEOです。SEOに成功するとサイト運営者は広告費をかけることなく検索ユーザーを集客できます。そのため質の高いコンテンツを作成したりサイト構造をシンプルにしたりするなど、アルゴリズムに沿ったSEOで上位掲載を目指します。
Googleの検索枠の下には、「画像」「ニュース」「ショッピング」などのボタンが並んでいます。これらのボタンをクリックすると検索結果がカテゴリ別に絞り込まれます。この検索方法がバーティカル検索です。
例えば「ワールドカップ」と通常検索すれば、ワールドカップの日程や結果などが上位掲載されます。対して「画像」でバーティカル検索すれば、ワールドカップに関連する写真が上位掲載されます。
バーティカル検索に対するSEOは一般的なSEOと基本的に変わりません。サイトの情報をGoogleに適切に伝えれば、バーティカル検索でも関連度の高いキーワードに表示されます。しかし、例えば「画像」で上位掲載を狙うなら写真を多く掲載したり、写真のalt属性(画像や動画の内容を説明するタグ)を記述したりするとSEO効果が増します。
ユニバーサル検索とは、検索エンジンが地図・画像・Youtube動画・ニュースなど関連性が高いコンテンツを自動的に検索結果に反映する機能です。ユーザーは特に意識することなくユニバーサル検索を使っています。例えば「渋谷 寿司屋」と検索すると渋谷のマップと寿司屋の位置が表示されます。
ユニバーサル検索の代表的な種類は以下のとおりです。
サイト運営者はユニバーサル検索でどのように表示されているかを適時確認するとよいでしょう。
Google以外の検索エンジンの中には、特定の地域やユーザーから支持を受けているものがあります。したがって、商圏やマーケティング戦略によっては重要な検索エンジンとなるでしょう。代表的な検索エンジンを7つ紹介します。
1994年に開発されたYahoo!は、検索エンジンの原型とされています。日本ではソフトバンク社の合併会社であるYahoo!JAPANが1996年からサービスを開始しました。日本においてYahoo!はGoogleの次に高いシェアを持っています。
現在Yahoo!はGoogleと提携しているためアルゴリズムはGoogleとほぼ同じです。掲載順位が変わる場合もありますが、SEOを別に施すほどの違いはありません。
一方、Yahoo!のリスティング広告(Yahoo!広告の「検索広告」)は、Yahoo!JAPANの利用者などのビッグデータを活用して配信しています。Yahoo!JAPANは日本のスマートフォンユーザーの85%、パソコンユーザーの64%から年齢・性別の偏りなく利用されているため、高精度のターゲティングを期待できます。(※)
※参考:Yahoo!マーケティングソリューション. 「Yahoo!JAPANのメディア力」.
Bingはマイクロソフト社が開発・運営している検索エンジンです。2009年にアメリカでリリースされ、日本では2010年7月から提供が開始されました。ブラウザの「Microsoft Edge」にはBingが初期設定されており、世界的にはシェア第2位となっています。
サイト運営側がBing活用を検討する際に抑えておきたいのは、対話型AI「ChatGpt」の存在です。マイクロソフトは圧倒的なシェアを持つGoogleへの対抗策として、BingにChatGptを搭載し、巻き返しを図っています。
ChatGptを活用すれば、知りたい情報をダイレクトに入手可能です。そのため「従来のようにオーガニック検索経由で自社サイトに流入させるのが難しくなるのでは」という意見もあります。流動的な状況であるため、今後の動向を注視したほうがよいでしょう。
Baidu(百度)は、百度公司が2001年1月に創業し、現在中国で最もシェア率の高い検索エンジンです。2022年5月~2023年5月において中国人の56.39%が利用しているため「中国のGoogle」とも呼ばれており、2020年時点で月間アクティブユーザーが6億人超と推測されています。世界のシェア率で第3位に入ったこともありました。日本では2007年から提供されています。
Baidu(百度)は中国人ユーザー向けの機能が多いのが特徴です。中国語検索に強く、国内の地図、学術関連の検索などが充実しています。また、若者に人気のSNSや画像・動画検索サービスやMP3(音楽)検索なども人気です。
Baidu(百度)は中国マーケットに対するSEOで欠かせない検索エンジンといえます。中国人にリスティング広告を表示したい場合も「百度リスティング広告」を活用するのが効果的です。
※参考:statcounter. 「SearchEngineMarketShareChina」.
YANDEXはロシアの検索エンジンの一つです。1997年からアルカジー・ヴォロシュの「コンプテック・インターナショナル」社によって提供されてきました。2023年6月現在では、プーチン政権によって事実上の国家管理となっています。
YANDEXはロシア国内のシェア率59.34%(※2022年5月~2023年5月)の検索エンジンで、「ロシアのGoogle」と呼ばれています。フリーメール・オンラインストレージ・翻訳・地図など、さまざまな機能を提供しているところもGoogleと似ています。
YANDEXを活用する際に気を付けたいのが不安定な政情です。2022年のウクライナ侵攻後にアメリカの証券取引所がロシア企業の銘柄の取引を一時停止した際にはYANDEXが債務不履行になる可能性があると報じられました。
※参考:statcounter. 「SearchEngineMarketShareRussianFederation」.
DuckDuckGoは同名のアメリカ企業が運営する検索エンジンです。検索結果を表示する際は、DuckDuckGoのアルゴリズムの他、Yahoo!やBing、YANDEXなど400種類以上のソースを参照しています。
DuckDuckGoはプライバシー保護を運営の軸にしています。利用履歴を記録せず、IPアドレスやCookieの利用も最小限度で、個人の追跡やターゲティング広告の表示などを行いません。したがって、検索結果もパーソナライズされません。
DuckDuckGoへの掲載に向くのは中立性の高い検索エンジンに情報を届けたい場合です。また、プライバシー保護の意識が高いユーザーに情報を届けたい場合です。逆に検索エンジンのパーソナライズ機能を利用して特定のニーズを持ったユーザーにリーチしたい場合はDuckDuckGoは向かないでしょう。
NAVERは韓国最大手のインターネットサービスを提供するネイバー株式会社が運営する検索エンジンです。1999年6月に、サムスングループ傘下で開発された検索エンジンを用いたインターネット検索サービスとしてリリースされました。韓国でのシェアは、Google(60.82%)に次いで第2位の33.9%です。(※)
NAVERのトップページには検索枠とともに、ニュース・ブログ・地図といったさまざまなコンテンツがあり、韓国最大級のポータルサイトとなっています。この点は日本のYahoo!JAPANをイメージすると分かりやすいでしょう。NAVERは韓国向けのマーケティングで特に重要な検索エンジンです。
※参考:statcounter. 「SearchEngineMarketShareRepublicofKorea」.
Exciteは同名のアメリカ企業が運営する検索エンジンです。日本では1997年12月から日本法人のエキサイト株式会社が運営しています。当初はYahoo!と並ぶ検索エンジンでしたがその後はシェア率を減らし、現在は先に紹介したようにTOP6にも入っていません。
ExciteはGoogleと提携しているためアルゴリズムは基本的に同じです。Exciteに上位掲載したい場合は、基本的にGoogleと同じSEOで問題ありません。
ExciteはYahoo!と同じようにニュース・ブログ・翻訳・マッチングサービスなどのコンテンツを提供して検索ユーザーを集めています。このうち独自性があるのがブログです。エキサイトブログ管理メニューを使い、記事を「公開」で投稿すれば検索サービス各社のクローラーと呼ばれるロボットが巡回・情報を収集する仕組みになっています。また、公開記事を削除・非公開にすると、検索結果に表示されなくなります。
ここではGoogle検索結果で上位表示を目指すために知っておきたい基本的なスタンスについて具体策を交えながら紹介します。
Googleのオーガニック検索で上位掲載させるには、ユーザーに有益なコンテンツを制作するのが第一です。Googleは、ユーザーにとって有益な情報を提供することを使命にしているからです。
何が有益なコンテンツとみなされるのか、Googleの「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」から関連個所を要約して紹介します。
他にもポイントがありますので、一度スターターガイドに目を通しておいてはいかがでしょうか。
※参考:Google検索セントラル. 「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」.
上位表示を目指すにはユーザーだけでなく、Googleのアルゴリズムを意識したコンテンツ制作が必要です。同じくGoogleの「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」(※)から、関連する内容を要約して紹介します。
すべてのポイントは紹介しきれないため、アルゴリズム対応についてもスターターガイドを一読することをおすすめします。
※参考:Google検索セントラル. 「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」.
検索エンジンの仕組みを理解するとSEOの効果を高められます。本記事で紹介したようにクローリングやインデックス、ランキングなどの基本原理を理解することでさまざまなSEOの本質的な意味を理解できるようになるでしょう。
しかしながらSEOで成功するのは決して簡単ではありません。「コンテンツを作っても上位掲載されない」「検索順位は上がったが成果につながらない」などの悩みを持つ企業が多いのが実情です。
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