カルーセルUIは使いやすい?デザインの観点から影響を考察してみました
2019年11月5日
東証スタンダード上場企業のジオコードが運営!
Web制作がまるっと解るWebマガジン
更新日:2024年 10月 23日
【監修】株式会社ジオコード Web制作事業 責任者
高松 建太郎
Webサイトを運営する中で、「ユーザーの離脱率が高い」「購入や申し込み数が思うように伸びない」などお悩みの方もいるでしょう。その原因は、もしかするとUIデザインにあるかもしれません。
UIとは、ユーザーインターフェースの略称で、モノとユーザーをつなぐ接点を指します。パソコンのディスプレイやマウス、キーボードなどがその一例です。
本記事では、UIの意味や種類、UXとの違い、UIデザインを改善するためのポイントなどを解説します。
目次
UIとは、モノとユーザーをつなぐ接点のことです。ユーザーインターフェース(User Interface)が正式名称で、ユーザーは利用者、インターフェースは接点や境界面を意味します。
私たちが日常的に目にするUIは以下のようなものです。
UIはインターネットを通じてサービスを利用しようとしたり、商品を購入しようとしたりするときに、目に触れるもの全般を指しています。
Webサイトに関わるUIは、主にCUIとGUIの2種類に分けられます。
CUI(キャラクターユーザーインターフェイス)とは、キーボード入力のみで操作をするインターフェースのことです。Windowsのコマンドプロンプトがその一例です。
コンピューターの誕生当初はUIと言えばCUIで、画面に表示されるものは文字しかありませんでした。
画像やアイコンを使用しないためメモリの消費が少ないのがメリットですが、直感的な操作ができないため初心者や一般消費者には不向きです。技術者でなければ、使いこなすのが難しいインターフェースです。
文字のみで操作するCUIに対し、視覚的要素を用いて操作するのがGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)です。マウスやタッチパネルによってでグラフィカルな画面を直感的に操作できます。ボタン、アイコン、メニュー、チェックボックス、スクロールバーなどの要素がその一例です。
GUIは視覚的に操作できるため、初心者や一般消費者にわかりやすく、コマンドラインを知らなくても直感的に同じような操作を行うことができます。一方で、メモリやストレージの容量が必要で、CUIに比べて自由度が高くなく、機能が制限されるといったデメリットがあります。
モノのデザインを考えるときに、UIと切っても切り離せないのがUXです。そもそもUXとは何なのか、UIとどのような関係があるのか解説していきます。
UXとは、ユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略称です。エクスペリエンスは直訳すると、経験・体験という意味になります。商品やサービスの利用を通じてユーザーが得た感想や印象、感動を指すのがUXです。WebサイトにおけるUXの例は以下のとおりです。
UIとUXの概要をまとめると、以下のとおりです。
UI:商品やサービスとユーザーをつなぐ接点
UX:商品やサービスを通じてユーザーが得た体験
Webサイト上にある画像をUIとすると、その画像を見て面白い・楽しいといったUXを引き出すのはUIです。UIの質を高めることで、ユーザーにより良い体験をもたらせます。つまり、UXの良し悪しの大部分はUIが握っていることになります。とは言え、UIは良くても商品やサービス自体に問題があれば、UXが下がってしまうこともあり得ます。満足のいくユーザー体験を届けるためには、UI・UXを共に高め合うことが大切です。
近年、商品やサービスをユーザーに届けるにあたって、UIやUXがより一層求められています。それはなぜなのでしょうか。UI・UXが注目され始めた背景を交え、理由を3つ解説します。
UI・UXが注目され始めた背景には、パソコンやスマートフォンが普及したことや、デジタル社会が進んだとことが挙げられます。今やインターネットやパソコン、スマートフォンが生活に欠かせないものとなりました。
デジタル社会における私たちの生活を支えているのが、UIの一種であるIoTです。IoTの例には、スマートフォン一つで部屋のカギをかける、離れたところから洗濯機やエアコンを操作するといったことがあります。より快適なデジタル社会のために、UI・UXが求められるようになったのです。
同じ商品を販売するにあたって、他サイトとの差別化に大きく貢献してくれるのがUIです。デジタル社会が進み、多くの商品やサービスが色・形を変え、この世に出回るようになりました。それは便利な世の中になった反面、似た商品・サービスがインターネット上に溢れ、選ぶのが困難になったというマイナスな面もあります。
先述のとおり、UIの工夫次第でUXは高められます。UIデザインを工夫することでユーザーの興味をそそり、ブランディングを確立させ、ユーザーの満足度を向上させることできるため、競合との差を生み出せます。
UIの質を向上させれば、ユーザーの離脱を防ぐことにもつながります。反対に、UIデザインが施されていないWebサイトに訪れたユーザーは、使いにくいとストレスを感じ、すぐ離れてしまいかねません。
いくら優れた商品やサービスを提供していても、Webサイトを見てもらえなければ購入や申し込みなどの成果は得られないでしょう。ユーザーが目的を果たし、企業側も利益を得るためには、質の高いUIが欠かせません。
では、実際にUIを設計する際にはどのようなポイントを押さえればよいのでしょうか。以下ではUIデザインの基本ルールと、意識すべきポイントを解説していきます。
良質なUIデザインにするためには、基本的に「整列」「近接」「対比」「反復」における、4つのルールを守ることが大切です。以下で詳しく解説していきます。
UIの基本中の基本とも言えるルールが、情報を整列させることです。Webページ上のあちらこちらに情報が散らばっていると、ユーザーは求める答えにたどり着きにくくなり、ストレスを感じかねません。UXを下げたり混乱を招いたりする原因にもなるため、レイアウトを工夫するなどして情報をきちんと整列させておきましょう。また、商品名や価格、ブランドごとに揃える位置やフォント、色などを統一してまとまりをもたせるのも整列の一つです。
基本ルールの2つ目は、関連する情報を近くにまとめて置いておくことです。人は近くにあるものをグループとして認識します。近くに置くことでユーザーの利便性と理解度を高められます。情報を整列させながら近接のルールを意識すると見やすくなります。
対比はその名のとおり、情報に対比を出すことです。例えば、値引き価格の表示は赤字にする・商品名は太字にするなどが挙げられます。対比を出すことでWebページにメリハリをつけ、ユーザーに優先度の高い情報から目に入れてもらいやすくなります。
ユーザーが読みやすいリズムを生むのが、反復のルールです。似た要素の全てに同じパターンを用いることで、直感的に理解しやすいデザインに仕上げられます。パターン化されているとユーザーも頭で考える労力が要らず、情報を快適に読み取れるのが利点です。
デザインの基本はシンプルです。アピールポイントはより多くユーザーに伝えたいものですが、情報を詰め込みすぎてはいけません。あまりに多くの情報が一度に目に入ってくると、ユーザーは理解に時間と労力を要します。「あれもこれも」と情報過多にならないよう、1ページに提示する情報は極力絞ってください。
さらに本当に重要な情報に目を留めてもらえるように、先述の4つの基本ルールを使いましょう。UIデザインで文字や行間に変化をつけて、かつ情報を最小限にすると、シンプルで読みやすいWebページに仕上がります。
WebサイトのUIデザインをするときは、目の動きを意識することも大事です。ページを閲覧するときのユーザーの目線は、一般的に左上から右下にかけて動きます。そこで覚えておきたいのが、レイアウト設計の基本であるZの法則とFの法則です。
Zの法則は、ユーザーが全体を大まかに確認しようと、流し見するときの視線の動きの法則を指します。WebサイトのTOPページや画像とテキストを組み合わせたバナー広告に使われています。アルファベットのZの書き順に沿って、優先順位をつけてレイアウトすると効果的です。
Fの法則は、ユーザーが書いてある内容をしっかり把握するときの視線の動きの法則です。商品詳細ページやブログ、ニュース記事などに使用されています。
ページに載せる情報の性質に、視線の動きの法則を当てはめてデザインすれば、ユーザーがストレスなく読めるサイトになるでしょう。
UIデザインをするときは、デバイスごとの見え方を考えるのも大切です。スマートフォンやタブレットの普及によって、パソコン以外からWebサイトを見る方が多くなっています。若者であればその傾向はさらに顕著です。
全てのユーザーが快適に閲覧するために必要なのが、デバイスごとのUIデザインです。パソコンとスマートフォンでは画面の大きさを見ればわかるように、画面の縦幅・横幅は大きく違います。パソコンでは見やすくても、スマートフォンの表示になると行数が多くて読みにくいことも珍しくありません。少なくともパソコンとスマートフォンのどちらにも対応するデザインが必要です。
UIデザイン後に実施したいのが、ユーザビリティテストです。ユーザビリティテストとは、Webサイトやアプリが快適に使えるかどうか、一般ユーザーに評価してもらう検証を意味します。UIの専門知識やデザインの事前情報がないユーザーにテストしてもらい、改善点を検討することで、より良い方向にブラッシュアップできるでしょう。
また、優れたUIデザインとは、ユーザーにとって快適なデザインです。ユーザーが見やすいデザインにするためには、クリエイター側がユーザー側の視点に立つことが重要です。ユーザビリティテストおよびUIデザインをする前に、まず対象となるUIデザインを誰に届けたいのか、どのようなユーザーが求めるのかを考えてみてください。ターゲット層に響かないUIデザインでは元も子もありません。
デザインの技術は、日々進歩しています。ユーザーにとって優良なUIデザインをするためには、常日頃のスキルアップが欠かせません。以下では、UIデザインのスキルアップに役立つ方法を3つ紹介します。
UIデザインのスキルを磨く上で、まず基本となるのが書籍で知識をつけるということです。書店には初心者から上級者向けまで、実にさまざまなレベルのUIデザインに役立つ書籍が並んでいます。今あるスキルをブラッシュアップしたいときは、なるべく出版年の新しい書籍を購入するとトレンドが追えるためおすすめです。初心者を抜け出したい方は、UIデザインの著名な方が執筆する書籍を読んでみるものよいでしょう。
本格的にUIデザインのスキルを向上させたい方は、スクールやセミナーで学ぶことを視野に入れてみてください。業界のプロフェッショナルが開くスクール・セミナーでは、書籍より実践的なデザインが学べます。知識を習得できるだけでなく、プロの視点からフィードバックをもらえたり、疑問解消のアドバイスがもらえたりするのも利点です。
また、同じくスクールやセミナーに参加する同士との出会いの場にもなるため、交流するうちに新たなひらめきが生まれるかもしれません。オンラインのスクール・セミナーなら、デジタル機器とインターネット環境さえあれば自宅から気軽に参加可能なのもポイントです。
書籍でもスクールやセミナーでも、スキルアップを図るときに気を付けたいのが読むだけ・聞くだけにならないことです。情報をただインプットするだけでは、アウトプットするだけのスキルには到達していないことがほとんどです。書籍で取り上げられている、もしくはプロの講義で聞いたデザインを、手を動かして実践しましょう。手を動かしていくうちに、オリジナルのデザインがひらめくこともあります。練習と経験を積むのを絶やさないことこそ、UIデザインのスキルが向上する秘訣です。
Webサイトやパソコン、スマートフォンなど、私たちの生活に欠かせないデジタル機器と、深く関係するUIデザイン。基本ルールとポイントを守ってデザインすれば、ユーザーの興味を惹き付け、感動体験を与えることも可能です。ただし、優れたUXを届けるまでには、デバイスごとにデザインを分けたり、ユーザビリティテストを実施したりする必要があります。さらに公開しても成功するとは限りません。
Web制作でより多くのユーザーを惹き付けたいなら、マーケティングを専門で扱う業者に相談するのがおすすめです。株式会社ジオコードでは、マーケティングを意識したWeb制作サービスを提供しています。サービスサイトやオウンドメディアの他、ランディングページのUI設計も可能です。WebサイトのUI・UXデザインをお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。