WordPressのセキュリティ対策。基本的な対策方法を分かりやすくご紹介!
2024年8月16日
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更新日:2024年 10月 17日
【監修】株式会社ジオコード Web制作事業 責任者
高松 建太郎
Webサイトのハッキングは、個人情報の流出や金銭的損失、信頼の喪失など、企業にとって深刻な被害をもたらします。しかし、適切な知識を基に効果的なセキュリティ対策を行えば、ハッキングのリスクを大幅に軽減可能です。
本記事では、Webサイトのハッキングについて、その概要から具体的な手口、そして有効な8つの対策方法まで徹底的に解説します。
目次
Webサイトのハッキングとは、他者のシステムに不正にアクセスし、個人情報の盗用やデータの改ざんを行うサイバー攻撃の一種です。
本来「ハッキング」とは、コンピュータ技術を活用してシステムを解析したり問題を解決したりする行為を指していました。そのため、悪意のあるサイバー攻撃には「クラッキング」という用語がより適切ですが、ハッキングが誤って広まり、悪意ある行為を含むようになりました。
現在では、悪意のある攻撃者は「ブラックハッカー」、善意でシステムの脆弱性を発見・修正する技術者は「ホワイトハッカー」と呼ばれています。
では次に、悪意あるハッキングによる具体的な被害について詳しく見ていきましょう。
Webサイトがハッキングされた際の被害例を4つ紹介します。Webサイトがハッキングされると、自社のみならずサイト顧客や取引先へ影響が及ぶ場合もあります。どのような被害が生じるか理解して、適切なセキュリティ対策を行いましょう。
悪意ある第三者によってハッキングされ、Webサイトが改ざんされると、コンテンツや設定が管理者の意図しない状態に変更され、正しい情報発信ができなくなる恐れがあります。改ざんされたサイトでは、無関係な画像やメッセージが表示されたり、意図しないファイルが公開されたりすることもあるでしょう。
さらに危険なのは、マルウェアが埋め込まれる可能性です。これにより、サイト訪問者が感染すると、二次的な攻撃が引き起こされる場合もあります。
ハッキングされるとサーバーを外部から操作され、ファイルの閲覧やアップロード、削除など悪意ある者の自由にさせることになるため、取り返しがつかない事態にもなりかねません。
ハッキングによってサーバーが停止されると、Webサイトへのアクセスができなくなったり、業務システムが使えなくなったりなど、重大な影響が生じます。これによって商品・サービスの提供や一連の業務が止まり、売り上げが落ちる可能性もあるでしょう。
サーバーを停止させる代表的な攻撃手法としては、DDoS攻撃が挙げられます。これは、対象のサーバーに過剰な負荷をかけて、停止させるサイバー攻撃です。Webサーバーやアプリケーションの脆弱性を悪用するため、適切なセキュリティ対策と定期的なメンテナンスが不可欠です。
Webサイトがハッキングされると、住所や氏名、マイナンバー、クレジットカード情報などの個人情報が盗まれる可能性があります。個人のプライバシーが侵害されるだけでなく、盗まれた情報が悪用されるリスクもあるでしょう。
盗まれた情報をアカウントの乗っ取りやクレジットカードの不正利用、詐欺行為などがその一例です。さらに、個人情報が公開されたり、公開すると脅されたりするケースも考えられます。
また企業の場合、個人情報の流出という事態は、信頼性の低下につながり、法的責任が問われ、損害賠償のリスクが生じます。ハッキングの被害は自社だけでなく、取引先や利用者にも大きな影響を及ぼすため適切な対策が不可欠です。
Webサイトがハッキングされると、サイバー攻撃の踏み台として悪用される危険性もあります。訪問者のコンピュータにも感染が広がり、知らぬ間にフィッシングメールの送信やDDoS攻撃に加担させられているかもしれません。
攻撃者は、この踏み台を利用して他のコンピュータへの不正アクセスを試み、攻撃元を偽装することで追跡を困難にします。そのため、踏み台となったコンピュータやサーバーが攻撃の犯人と疑われる可能性もあるでしょう。
またセキュリティの甘さを指摘され、責任を問われることもあります。最悪の場合、損害賠償を求められたり、企業の信用が損なわれたりする恐れがあるため、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
ハッカーがWebサイトをハッキングする目的を5つ紹介します。金銭的利益から政治的意図、個人的な理由までさまざまです。目的を知ることで、セキュリティ対策の重要性をより深く理解できるでしょう。
ハッカーがWebサイトを攻撃する主な目的の一つが、金銭的な利益の獲得です。攻撃者は企業の機密情報を盗み、これを売買することで利益を上げたり、不正に入手した個人情報を使って詐欺行為を行ったりします。
例えば、銀行口座やクレジットカードのパスワード情報を盗み、情報を人質に金銭や暗号資産を要求するケースがあります。特に、ECサイトや大企業のWebサイトは影響度が大きいため、ハッカーの標的となりやすいでしょう。
さらにランサムウェア攻撃では、コンピュータをロックし、解除を引き換えに金銭を要求します。しかし、金銭を支払ってもロックが解除される保証はないのが現実です。
ハッカーがWebサイトを攻撃する目的の一つに、企業や政治のスパイ活動があります。機密情報の流出は、企業の競争力や政治家の立場に深刻な影響を与えるでしょう。
ハッカーは、セキュリティが厳重でも、ソーシャルエンジニアリングのようなオフライン手法を駆使して攻撃を成功させようとします。企業スパイでは競合他社の営業情報や技術ノウハウなどの機密情報が対象となることも多く、セキュリティ対策が不十分な中小企業も狙われやすいです。国家が関与する場合は、他国の重要機密情報に関わることもあるでしょう。
ハッカーがWebサイトを攻撃する目的の一つに、自らの能力の誇示があります。
競争の激しいハッカー界では、システムの破壊や情報の侵入が一つの偉業と見なされます。他のハッカーグループに名を馳せるため、自分の技術力を示すことが重要なのです。
このような攻撃は、単に自己顕示欲を満たす手段として行われることがあります。ハッキングによって自分のスキルを証明することで、他のハッカーたちとの競争に勝ち抜こうとするのです。
ハッキングは、時として単なる好奇心や冒険心から行われるケースもあります。こうしたハッカーは、システムの脆弱性を見つけ出し不正アクセスすることをゲーム感覚で楽しむ傾向にあります。
彼らにとってセキュリティの強固さは挑戦の対象であり、自分の技術がどこまで通用するか試すことが目的なので、セキュリティを突破し目的を果たした際には「侵入成功」のメッセージのみを残すこともあるでしょう。
ただし、情報が盗まれない場合でも、サイトがハッキングされれば企業のイメージダウンなどにつながるため、被害に遭わないようにする対策は必要です。
ハッカーがWebサイトをハッキングする目的に、個人的な復讐というケースもあります。過去に不当な扱いを受けたなどの怒りや恨みを動機に、組織や個人に対して復讐を果たそうとするのです。この場合は金銭的な利益は二の次でしょう。
例えば、社内トラブルで恨みを募らせた元社員が、社内のデータベースへ不正にアクセスしたうえ顧客の個人情報を窃取し、競合他社に転売するケースなどがあります。金銭面、仕事内容、処遇、人事の不満が引き金になることが多く、社員だけでなくパートナー企業やシステム関連の従事者が関与することもあるようです。
Webサイトをハッキングする手口は多様で巧妙です。ここでは、代表的な8つの手法を紹介します。以下の手口を理解することで、効果的なセキュリティ対策を講じる重要性が明確になるでしょう。それぞれの特徴と危険性を知り、適切な防御策を考えることが大切です。
マルウェアとは、ユーザーのデバイスやネットワークに悪影響を与える「悪意のあるプログラム」の総称です。代表的なものには、ウイルスやトロイの木馬、ランサムウェア、スパイウェアなどがあります。
マルウェア感染の代表的なルートの一つが不審なメールです。配送確認や請求書の通知などを装い、添付ファイルを開かせることでマルウェアがデバイスにインストールされます。特に見慣れた企業名を名乗るケースが多くうっかり開いてしまう可能性があるため、メールのリンクやファイルは安易にクリックせず、公式サイトをブラウザで直接確認することが重要です。
マルウェアに感染すると、個人情報の流出やシステムの破壊、デバイスの乗っ取りが起こり得ます。見覚えのない通信を見つけたり、パソコンの動作が突然重くなったりと普段と異なる不審な点が見られたら、マルウェア感染を疑いましょう。
ブルートフォース攻撃は、膨大な数のパスワードを総当たりで試し、正しいパスワードを見つけるサイバー攻撃の一種です。
この攻撃では、あらゆる文字列の組み合わせが試行されるため、推測困難なパスワードであっても、時間をかければ突破される可能性があります。パスワードの長さや複雑さによって突破されるまでの時間は異なりますが、短く単純なパスワードは短時間で突破される危険性が高いでしょう。
対策としては、複雑で長いパスワードを使用し、定期的に変更することが効果的です。さらにログイン試行回数を制限したり、多要素認証を導入したりすることで、セキュリティを強化できます。また、ログイン試行回数の監視システムを導入すれば、不正なアクセスを早期に発見できる可能性が高まるでしょう。
辞書攻撃は、一般的な単語や人物名、地名、派生語、さらに推測しやすい文字列などをパスワード候補として使用するサイバー攻撃の一種です。
攻撃者が辞書によくあるパスワードを登録し、これを用いてシステムへのログインを試みます。例えば「123456」「password」「iloveyou」などの簡単に推測されるパスワードが狙われやすい例です。辞書攻撃は、無意味な文字列を総当たりで試すブルートフォース攻撃とは異なり、意味のある単語を組み合わせて試行することが特徴です。
対策としては、推測されやすいパスワードを避けること、パスワードの使い回さないこと、そして多要素認証を導入することが有効です。さらに、ログイン試行回数を制限する設定も効果的でしょう。
SQLインジェクションは、Webサイトやアプリケーションの脆弱性を悪用するサイバー攻撃の一種です。攻撃者は不正なSQL(データベースを操作するための言語)をWebサイトやアプリケーションに注入(インジェクション)し、個人情報を盗んだり、データを改ざんしたりします。
SQLとは、データベースを操作するための言語で、SQLによる命令文をデータベースに送ることでデータを抽出しWebサイトへ表示させます。ところがこの攻撃を受けると誤ったSQL文がデータベースに送信され、不正なデータ操作が可能になります、これにより、個人情報の盗難やデータの改ざんにつながります。
攻撃を防ぐためには、入力値の検証やエスケープ処理などの技術的な対策が必要です。
ゼロデイ攻撃は、ソフトウェアの脆弱性が発見されてから、修正パッチが提供されるまでの短い期間を狙ったサイバー攻撃の一種です。
名前の由来は、この攻撃の対策が施される前、つまり「0日」で行われることにあります。攻撃者はOSやアプリケーションの新たな脆弱性を利用し、ベンダーが修正プログラムを提供する前に攻撃を仕掛けるのです。攻撃者が先に脆弱性を発見した場合はさらに攻撃が広がる可能性もあります。そのため、攻撃を防げるかどうかは攻撃者とベンダーの対応速度勝負となります。
対策として、OSやアプリケーションを最新状態に保つことに加え、アクセス制御や認証の強化などの多層的な防御策も講じる必要があるでしょう。
ソーシャルエンジニアリングは、情報通信技術を使わずにハッキングに使用する情報の取得を試みる手段の一つです。人間の心理的な弱みを利用してパスワードやユーザーIDなどの重要な情報を盗みます。
例えば、会社の上司や取引先になりすまし、信頼を得て情報を聞き出すことがあります。また、肩越しにパスワードを盗み見るショルダーハッキングや、ごみ箱から情報を拾い集めつるトラッシングもこの手法の一種です。ソーシャルエンジニアリングによってパスワードやユーザーIDを窃取されれば、基幹システムやインターネットバンキングへの不正アクセスに使われます。
対策としては、機密情報を扱うルールを組織内で整備することや、多要素認証の導入で不正ログインを防ぐ体制を作ることが重要です。
クロスサイトスクリプティング(XSS)は、Webサイトの脆弱性を悪用し、悪質なスクリプトを実行させるサイバー攻撃の一種です。この攻撃では、サイト内に埋め込まれたスクリプトを通じて、サイトを訪問したユーザーの個人情報やCookieが盗まれる危険があります。
特に注意が必要なのが、お問い合わせフォームなどユーザーが情報を入力するページを持つサイトです。こうしたサイトは攻撃対象になりやすく、偽ページに誘導されてユーザーのデータが盗まれることがあります。XSS攻撃の特徴として、サイト自体ではなく、その訪問者に影響を与える点です。Cookie情報が攻撃者に送信されることで、SNSアカウントの乗っ取りや不正ログインのリスクも高まります。
情報処理推進機構(IPA)の報告によると、2024年4月~6月に報告された脆弱性の中でもXSSが最も多く見られました。対策としては、スクリプトの無害化や入力値の制限などが有効です。
※参考:独立行政法人情報処理推進機構 セキュリティセンター.「脆弱性対策情報データベース JVN iPedia に関する活動報告レポート」.“2-1. 脆弱性の種類別件数”(2024-07-17)
DDoS攻撃とは、Webサイトやサーバーに対して大量のデータやアクセスを意図的に送り付けるサイバー攻撃の一種です。ハッキングとは異なりますが、クラッシュさせたり脆弱な状態にしたりすることでハッキングに使用されるケースもあります。
DDoS攻撃によって、複数のコンピュータから送信される過剰なリクエストが、サーバーやネットワークに過度の負荷をかけると、システムをダウンさせる原因となります。結果、サービスの停止や売り上げの減少、信用の低下などの被害が発生する恐れがあるでしょう。
例えば、人気アーティストのチケット販売時にアクセスが集中し、Webサイトが一時的にダウンすることがありますが、DDoS攻撃はこれを意図的に引き起こします。DDoS攻撃は、複数のコンピュータを乗っ取って行われるため、犯人の特定が難しいのが特徴です。
また、通常のアクセスと区別しにくいため、攻撃を防ぐのも容易ではありません。そのため、アクセスの異常を監視するシステムや、国外からのアクセスを制限することが有効な対策となるでしょう。
Webサイトをハッキングから守る効果的な対策を5つ紹介します。以下の対策を実践することで、サイバー攻撃のリスクを軽減できる可能性が高まります。日々の習慣として取り入れ、安全なオンライン環境を維持しましょう。
Webサイトをハッキングから守るためには、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つことが重要です。
古いバージョンを使い続けると、脆弱性を狙われてハッキングのリスクが高まります。デバイスへの通知や公式サイトなどで更新情報をキャッチし、新しいバージョンが出たら迅速に対応しましょう。手動でのアップデートが煩わしい場合には、自動更新機能を活用するのも効果的な方法と言えるでしょう。
また、Webサイト制作に使用されるWordPressのようなCMSなどのツールも、脆弱性が発見されると更新プログラムやパッチがリリースされます。最新バージョンには、不具合の修正やセキュリティに関する重要な更新が含まれているため更新を忘れないようにしましょう。
Webサイトをハッキングから守るためには、パスワードの高度化と多要素認証の設定が重要です。
パスワードが漏えいして第三者の手に渡ると、ハッキングのリスクが急激に高まります。パスワードを高度化するには、大文字・小文字・数字・記号をランダムに組み合わせ、推測されにくく意味を持たない複雑な文字列にしましょう。
さらに効果的なのが、パスワードに加えてスマートフォンのアプリ認証や生体認証を組み合わせる多要素認証の設定です。これにより、パスワードが万が一漏えいしても、不正アクセスを防ぐ追加のセキュリティ層を持たせることが可能です。
Webサイトをハッキングから守るためには、不審なメールやWebサイトを開かないことが重要です。
怪しいメールやWebサイトを開くと、ハッキングのリスクが大幅に高まります。特にフィッシングメールに誘導された偽のWebサイトで、個人情報やクレジットカード情報を入力すると、これらの情報が抜き取られて不正利用やマルウェア感染の原因となります。最近の偽サイトは非常に精巧で、本物との見分けがつかないことも多いため、不審なメール内のリンクを安易にクリックしないよう注意しましょう。
Webサイトのハッキングを防ぐためには、送信元やURLを確認し、さらに日本語に違和感ないかチェックするなど、慎重な対応が必要です。
Webサイトをハッキングから守るためには、公衆Wi-Fiの利用を控えることが重要です。
飲食店やカフェなどで提供される公衆Wi-Fiは、誰でも簡単に利用できる便利なサービスです。しかし通信が暗号化されていないケースも多いためハッキングされるリスクがあります。第三者が通信内容を簡単に傍受できるので、個人情報や企業の機密情報を扱うデバイスでは、公衆Wi-Fiの使用は避けた方が良いでしょう。
Webサイトをハッキングから守るためには、セキュリティソフトの導入が重要です。
セキュリティソフトは、マルウェア感染やサイバー攻撃からシステムを保護するためのツールです。悪意のあるリンクやダウンロードをブロックし、企業の機密情報を保護する機能を備えています。定期的なウイルスチェックを行うことで感染を予防しましょう。
一般的にセキュリティソフトには有料版と無料版があり、強固なセキュリティを求める場合は有料版を選ぶのがおすすめです。製品を選ぶ際には、対応OSやインストール可能台数、サポートの有無などを確認し環境に合ったものを選択しましょう。
Webサイトがハッキングされると、個人情報の流出や金銭的な損失、信用の喪失など、企業にとって大きな被害をもたらす可能性があります。攻撃者がハッキングする理由や攻撃の手口を理解し、それに対して十分なセキュリティ対策を行いましょう。
特にWebサイト制作において世界的に利用者が多いWordPressは、攻撃の対象にされやすいと言われています。セキュリティ対策には専門知識が必要であり、常に最新の脅威に対応することが求められます。
Webサイトのセキュリティ対策を自社で対応することが難しい、対応できるリソースが不足しているなど、課題を抱えている企業のご担当者様は、株式会社ジオコードの「WordPressセキュリティプラン」がおすすめです。ジオコードはWordPressのサイト制作に強みを持ち、運用・保守、セキュリティ対策までお任せいただけます。WordPressに関するお悩みはぜひお気軽にお問い合わせください。