wordpress 高速化~誰でも簡単に実施できる3つの方法
2020年7月21日
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更新日:2024年 10月 21日
【監修】株式会社ジオコード Web制作事業 責任者
高松 建太郎
WordPressは、世界中の多くの企業や個人に使用されており、さまざまな目的のWebサイトに用いられています。WordPressで作られたサイトの安全性や機能性を適切に維持するためには、定期的かつ計画的なアップデートが不可欠です。アップデートを正しく行わないと、予期せぬ不具合やセキュリティリスクが発生する可能性があり、サイトの運営に支障をきたす恐れがあります。
そこで本記事では、WordPressの適切なアップデート方法と具体的な手順を詳しく解説します。アップデートの重要性や種類、万が一不具合が生じた際の対処法もあわせて解説するので、これらを理解して安心かつ確実にWordPressを最新の状態に保ちましょう。
「WordPressにアップデートの通知が来たので手順や注意点を知りたい」「WordPressのアップデートを実行したいけれど不具合が起きるのが不安」という方はぜひ参考にしてください。
目次
世界中で最も広く利用されているコンテンツ管理システム(CMS)である「WordPress」は、その普及率の高さゆえにハッカーにとっても非常に魅力的な攻撃対象となっています。
そのため、WordPressを定期的にアップデートすることは、サイトの安全性と機能性を維持・向上させるために欠かすことのできない重要な作業です。適切なアップデートを行うことで、最新のセキュリティ対策を適用し、潜在的な脆弱性からサイトを守ることができます。
以下では、WordPressアップデートを行う理由を3つ解説します。
WordPressは世界中で利用されているため、常に脅威にさらされています。ハッカーは、WordPressの脆弱性を狙って攻撃を仕掛けてくるため、セキュリティ対策として定期的なアップデートが不可欠です。
アップデートにより、既知のセキュリティホールが修正され、悪意ある攻撃からサイトを守ることができます。最新のセキュリティパッチを適用することで、安心してサイト運営を続けることが可能です。
WordPressのアップデートには、新機能の追加が含まれることがよくあります。これによって、より効率的にコンテンツを作成したり、サイトを管理したりするための新しいツールや機能を利用できるようになります。
例えば、過去のアップデートでは、ブロックエディター「Gutenberg」の導入やウィジェット管理機能の改善が行われ、ユーザーがより簡単にサイトのカスタマイズを行えるようになりました。これらの新機能を活用することで、サイトの競争力を維持し、訪問者にとって魅力的な体験を提供できます。
ソフトウェアには必ずバグや不具合が存在し、WordPressも例外ではありません。これらの問題を放置すると、サイトの表示が崩れたり、特定の機能が正常に動作しなくなったりする恐れがあります。
定期的にアップデートを行うことで、これらの不具合が修正され、サイトが常に安定して動作する状態を維持できます。
特に重要なのが、テーマやプラグインとの互換性です。WordPressを古いバージョンのまま使い続けると、予期せぬ不具合が発生することがあります。これらのコンポーネントと整合させるにも、最新の状態を維持することは大切です。
WordPressのアップデートを怠ると、サイト運営にさまざまな問題が発生するリスクが高まります。セキュリティや機能の改善だけでなく、パフォーマンスやサポートにも影響を与えるため、アップデートは重要なメンテナンス作業の一つです。
以下では、WordPressをアップデートしない場合に発生するデメリットを4つ紹介します。
WordPressのアップデートには、セキュリティホールの修正が含まれています。アップデートを行わないと、既知の脆弱性が放置され、悪意のある攻撃者によってサイトが攻撃されるリスクが高まります。
具体的には、サイトの改ざん、個人情報の漏洩、マルウェアの感染などです。特に、WordPressは世界中のさまざまなサイトで使用されているため、攻撃対象となりやすく、セキュリティ対策を怠ることは致命的な結果を招く可能性があります。
前述のとおり、WordPressには機能の向上や利便性の向上を目的として、定期的に新しい機能が追加されます。これらの新機能を利用するためには、アップデートが必要です。
しかし、アップデートを行わない場合、新しい編集機能やデザインオプション、SEOに対応する機能などを利用できず、サイト運営の効率が低下します。
アップデートでは、サイトのパフォーマンスを向上させるための最適化も行われます。これには、ページの読み込み速度の向上や、コードの効率化などが含まれます。
アップデートを怠ると、これらの改善が適用されず、サイトの表示速度が遅くなり、ユーザーエクスペリエンスが低下することも珍しくありません。特に、表示速度がSEOにも影響するため、検索エンジンでの評価が下がるリスクも伴います。
WordPressの古いバージョンは、時間が経つにつれてサポート対象外となることがあります。公式のセキュリティアップデートやバグ修正が提供されなくなることで、さらにリスクが増大してしまうでしょう。
また、プラグインやテーマの開発者も、新しいバージョンに対応する更新を優先するため、古いバージョンでは互換性の問題が生じることがあります。これにより、サイトの機能が正しく動作しなくなる可能性が高まります。
WordPressには、定期的に行われるアップデートが存在し、それは主に「メジャーアップデート」と「マイナーアップデート」の2つに分類されます。
これらのアップデートは、WordPressのセキュリティを強化し、新機能を追加し、既存の不具合を修正するために重要です。それぞれのアップデートには異なる特徴と役割があり、これらを理解して適切に対応することが、サイト運営の安定性維持につながります。
以下では、WordPressアップデートの種類を解説します。
メジャーアップデートは、WordPressの大規模かつ重要な変更を伴う重要なアップデートです。通常、およそ3〜6カ月に一度の頻度で定期的に更新され、新しい機能の追加や既存機能の大幅な改善、そして性能向上が行われます。
このアップデートの特徴は、バージョン番号の最初の2桁(例えば、5.7から5.8へ)の部分が変わることです。新しいエディターの導入やユーザーインターフェース(UI)の大幅な改善など、大きな変更が含まれるため、サイト全体に広範囲にわたる影響を及ぼす可能性があります。
そのためメジャーアップデートは自動更新されません。サイト管理者各自がWordPressの管理画面にログインし対応する必要があります。長期間にわたり管理画面を確認していないと対応が遅れてしまいかねないため気をつけましょう。
マイナーアップデートは、主にセキュリティパッチやバグ修正を目的とした小規模なアップデートです。通常は月に一度程度の頻度でリリースされ、バージョン番号の最後の桁(例:1.2.1から1.2.2)が変更されます。
これらのアップデートは、細かな修正が中心で、サイトの機能やデザインに大きな影響を与えることは少ないため、基本的にはWordPressが自動的に実行する仕組みになっています。
WordPressのアップデートは、セキュリティ対策や新機能の利用、不具合修正のために欠かせない作業です。適切な手順に従って実施することで、サイトの安定性と安全性を維持できます。
以下では、アップデートを行う際の具体的な手順を解説します。
WordPress管理画面にログインすると、ダッシュボード上部に「WordPressの新しいバージョンがあります」のような通知が表示されることがあります。この通知を見逃さず、サイトの現状を把握しましょう。
通知が表示されていれば、すぐにアップデート内容を確認することが重要です。特にセキュリティに関わるアップデートの場合、早急な対応が求められます。
アップデートを実施する前に、必ずサイト全体のバックアップを取得してください。万が一のトラブルに備えるためです。バックアップには、WordPressのファイルとデータベースの両方が含まれます。
専用のプラグイン(例:UpdraftPlusやBackWPupなど)を利用することで、簡単かつ確実にバックアップを取得できます。サーバー提供会社がバックアップ機能を提供している場合は、その機能を利用するのも一つの方法です。
バックアップを取得した後、最初にプラグインとテーマを最新バージョンに更新します。これにより、WordPress本体をアップデートした際に生じる互換性の問題を最小限に抑えることが可能です。
更新は「ダッシュボード」→「更新」から行います。プラグインとテーマは個別に対応する必要があり、全てが最新バージョンであることを確認した上で、次の手順に進みます。
プラグインを最新にした後、全てのプラグインを一時的に無効化します。これにより、WordPress本体のアップデート時にプラグインが原因で発生するトラブルを防げます。
無効化は「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」から一括で行うことが可能です。無効化する際は、プラグインの設定内容が変更される可能性があるため、必要に応じて設定内容をメモしておくと良いでしょう。
プラグインとテーマの更新、そしてプラグインの無効化が完了したら、WordPress本体のアップデートを実行します。
ダッシュボードの「更新」から「今すぐ更新」をクリックし、指示に従って進めてください。アップデートが成功すると、最新バージョンのWordPressがインストールされ、セキュリティや機能が強化されます。
なお、アップデート中は、管理画面に触れないようにしてください。アップデート自体は数十秒から数分で完了します。
WordPress本体のアップデートが完了したら、無効化していたプラグインを再度有効化します。プラグインを有効化する際には、サイトに問題がないか注意深く確認しましょう。
特に、プラグインの動作が最新のWordPressバージョンに対応しているかをチェックすることが重要です。全てのプラグインが正常に動作することを確認したら、アップデート作業は完了です。
WordPressのアップデートは、セキュリティの向上や新機能の追加を目的としていますが、時にはアップデート後に不具合が発生することがあります。
これらの不具合は、サイト運営に大きな影響を与える可能性があるため、あらかじめどのような種類の不具合が発生し得るのかを理解しておくことが重要です。
以下では、一般的なWordPressアップデートの不具合を種類別に解説します。
アップデートでよくある不具合の一つが、プラグインの互換性問題です。WordPressが新しいバージョンに更新された際に、既存のプラグインがその新バージョンに対応していない場合、サイトが正常に動作しなくなることがあります。
このような問題は、プラグインのバージョンが古い場合や、プラグインの開発者がアップデート対応を行っていない場合に発生します。
テーマが新しいWordPressバージョンに対応していないと、サイトのデザインが崩れることがあります。これにより、レイアウトが乱れたり、CSSが正しく適用されなくなったりします。特に、カスタマイズされたテーマや、古いテーマを使用している場合は、このような問題が発生しやすいです。
WordPressには正常に動作するための推奨環境があります。PHPやMySQLにも推奨されるバージョンがあるため該当のバージョンにアップデートしなければいけません。
PHPやMySQLのバージョンが古い場合、新しいWordPressバージョンに対応できず正常に動作しなくなり、サイトの表示が不安定になったり、特定の機能が使用できなくなったりすることがあります。
アップデート後にキャッシュが原因で新しい変更が正しく反映されないことがあります。キャッシュとは一度生成・表示したページを再利用のために保存する機能のことです。その都度リクエストを一から処理する必要がなく、保存したデータを表示するだけなので、表示速度を上げることができます。
しかし、サイトに更新・変更が加えられた際にもキャッシュによって保存されたページが表示されることがあり、更新・変更が反映されていない不具合に見えてしまいます。
アップデート中にエラーが発生すると、WordPressの管理画面にアクセスできなくなることがあります。これは、アップデートの途中で何らかのトラブルが発生した場合や、プラグインやテーマが新バージョンに対応していない場合に起こります。これにより、管理作業が停止し、サイト運営に支障をきたすことがあるでしょう。
WordPressのアップデートは、サイトのセキュリティや機能向上のために必要不可欠ですが、前述でご紹介したようにアップデートで不具合が発生することも少なくありません。不具合が発生した場合、迅速かつ適切な対処を行えば、サイトの安定性を取り戻すことができます。
以下では、よくある不具合とその対処法を詳しく解説します。
最初の対応策として、アップデート前に取得したバックアップを復元する方法があります。アップデートによってサイトが正常に動作しなくなった場合、バックアップを復元することで元の状態に戻すことが可能です。
WordPressの管理画面にアクセスできる場合は、バックアッププラグイン(例:BackWPupやUpdraftPlus)を使用して復元を行います。アクセスできない場合は、サーバーのバックアップ機能を利用することも検討しましょう。
多くの不具合は、プラグインやテーマが最新のWordPressバージョンと互換性がないことが原因です。アップデート後にエラーが発生した場合、まずは使用しているプラグインとテーマが最新バージョンに更新されているかを確認しましょう。
更新が行われていない場合は、全てを最新にした上で、再度WordPressのアップデートを試みてください。
プラグインやテーマを最新のバージョンにアップデートしてもサイトが正常に動作しない場合があります。この場合、まず全てのプラグインを無効化してから、1つずつ有効化しながら問題が発生するかどうかを確認しましょう。
また、テーマに問題がありそうな場合は、WordPressのデフォルトテーマ(例:Twenty Twenty-Oneなど)に一時的に変更することで、問題の切り分けが可能です。これにより、プラグインやテーマがアップデートによってどのような影響を受けたかを確認できます。
アップデート後に変更が反映されない場合、ブラウザなどのキャッシュをクリアすることで、最新の状態が正しく表示されることがあります。
Google Chromeの場合は、画面右上メニューの「設定」から「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」→「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れる→「データの削除」でキャッシュがクリアできます。
Safariの場合は、画面上メニューの「Safari」から「環境設定」→「詳細」→「メニューバーに“開発”メニューを表示」にチェックを入れる→「開発」→「キャッシュを空にする」の手順です。
また、ブラウザのキャッシュを使わずに再読み込みをするスーパーリロードで確認する方法もあります。OSとブラウザの種類によって多少異なりますが、ショートカットキーはWindowsなら「Ctrl + F5」、Macなら「Command + Shift + R」です。
上記とは別に、キャッシュプラグインを使用している場合は、プラグインの設定画面からキャッシュクリアを行いましょう。
これまでご紹介した方法で問題の解決が難しい場合は、専門業者に相談するのも方法も一つです。特に、コアファイルの修正が必要なケースや、テーマやプラグインのカスタマイズが必要なケースもあり、それらの対応には専門的な知識が必要です。WordPressの復旧に迅速に対応してくれる業者もあるので検討してもよいでしょう。
上記でご説明したように、WordPressのアップデートで不具合が発生するのはよくあることです。不具合の発生を避け、もし発生してもリカバリーできるように、アップデートの際に注意すべきポイントを押さえましょう。
以下では、WordPressのアップデート時に注意すべきポイントを詳しく解説します。
WordPressをアップデートする前には、必ずバックアップを取ることが重要です。アップデートが原因でサイトが正常に動作しなくなった場合、バックアップがあれば迅速に復元できます。
バックアップはWordPressのファイルだけではなく、データベースを含むすべてをバックアップしましょう。バックアップには、レンタルサーバーの提供する自動バックアップ機能や、専用のプラグイン(例:UpdraftPlusなど)を利用する方法があります。
WordPressのアップデート時には、PHPやMySQLのバージョンがWordPressの要件を満たしているかを確認することが不可欠です。最新のWordPressバージョンでは、PHPやMySQLのバージョンが古いと動作しない場合があります。
管理画面の「サイトヘルス」機能を使用して、現在のサーバー環境がWordPressの最新バージョンに対応しているか確認しましょう。必要に応じて、サーバー側の設定変更やアップグレードを行う必要があります。
アップデート後には、サイトが正常に動作しているかを必ず確認します。デザインやレイアウトが崩れていないか、ページが正しく表示されているか、機能が問題なく使えるか、エラーメッセージが出ていないかなど細かくチェックしましょう。問題があればご紹介した対処法を参考にしてください。
WordPressを活用したサイト運営において、定期的なアップデートは非常に重要な要素です。これを怠ってしまうと、サイトのセキュリティが脆弱になるだけでなく、全体的なパフォーマンスも低下する可能性があります。さらに深刻な場合、サイトが悪意ある攻撃の標的となるリスクが著しく高まってしまいます。
最新の機能を活用し、セキュリティを強化するためにも、WordPressを常に最新バージョンに保つようにしましょう。これにより、サイトの安全性が向上するだけでなく、ユーザー体験も大幅に改善されます。
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