WordPress運用でやるべきこととは?自社運用が大変な理由や代行のメリットを解説
2024年9月13日
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更新日:2024年 10月 21日
【監修】株式会社ジオコード Web制作事業 責任者
高松 建太郎
WordPressでサイトを運用している場合、サーバーの引っ越しやサーバーへの負担などによってデータベース接続確立エラーが発生する可能性があります。このようなエラーを解決するには設定ファイルの状態を確認する、サーバーへの負担を軽減させるといった対策を講じましょう。また、不要なプラグインやテーマの整理も有効です。
本記事ではWordPressにおけるデータベース接続確立エラーの原因や対策についての詳細を解説します。
目次
「Error establishing a database connection」というエラーが表示されたらデータベース接続エラーです。データベース接続確立エラーとは、WordPressとデータベースがうまく接続できないため、Webサイトに表示するデータを取得できない状態です。このエラーが起きるとユーザーはWebサイトを閲覧することができません。
データベース接続確立エラーが起こる理由を理解するために、WordPressとデータベースの仕組みに触れますが、今すぐ原因や対処法を知りたい方は、次項を読み飛ばして先へ進んでください。
データベース接続確立エラーが起こる理由を理解するために、WordPressの仕組みを把握しておきましょう。
WordPressを動作させるためには、サイトのコンテンツや情報・設定を保管しているデータベースとの連携が必要です。インターネット上でユーザーが見たいコンテンツをリクエストしたときサーバーは該当するコンテンツを探し出そうとします。データベースとサーバーが連携できていれば、リクエストに応じた情報を提示することができますが、接続できていないと情報を表示できなくなります。
WordPressでデータベース接続確立エラーが発生する原因は、主に以下の6つが挙げられます。
それぞれの原因について解説します。
データベース接続確立エラーが発生する原因の代表例が「wp-config.php」の設定が誤っているケースです。wp-config.phpとはWordPressの設定ファイルで、WordPressでできたサイトを適切に動作させるためデータベースへの接続情報を含んでいます。
WordPressを別のサーバーに移行させた場合、wp-config.phpのデータベース設定の書き換えが必要です。書き換えを忘れてしまった場合、データベース接続確立エラーが発生します。
なお、wp-config.phpを更新したとしても、コードを全角で入力しているなどのミスによってエラーが発生する可能性もあります。
データベースとサーバーが連携できないケースは、データベースだけでなく、サーバーが原因で発生する可能性もあります。例えば、アクセス数の増加によってサーバーに大きな負荷がかかっているケースでは、データベースとサーバーとの連携に不具合が発生しかねません。また、次のような理由でデータベースの容量が少なくなったこともエラー発生の原因です。
共有サーバーを利用している場合、自社サイト以外のサイトのトラフィックが増加した時もサーバー負荷の原因になります。
セキュリティ対策として、データベースのパスワードを変更しているケースがあります。その際にwp-config.phpにパスワードの変更を反映していないと、情報が一致せず接続エラーが起こります。
データベースが壊れてしまっていることも接続エラーが発生する原因です。大量のプラグインのインストールや削除をするとデータベースが壊れてしまうことがあります。
破損をしている場合は「One or more database tables are unavailable. The database may need to be repaired.(1つ以上のデータベーステーブルが利用できません。データベースを修復する必要があるかもしれません。)」というメッセージが表示されることがあります。このメッセージはサーバー内のログのみに記載され、気が付かないケースもあるため、原因不明の場合はログを確認してみるとよいでしょう。
MySQL(マイ・エス・キュー・エル)はオープンソースのデータベース管理システムで、WordPressに組み込まれています。MySQLが大量のコンテンツデータを管理することで、スムーズなデータ保存や更新などが実現可能です。
XAMPPやMAMPのようなツールを用いて、ローカル環境でWordPressを作動させているケースでは、MySQLが起動していないことが原因で接続エラーが発生してしまいます。
外部からサイトへの不正な攻撃を受けていることも、データベース接続確立エラーが発生する原因の一つです。
ハッキングなどの不正な攻撃を受けサーバーの負荷が増大した場合、レンタルサーバーは負荷軽減のために、強制停止を講じることがあります。その結果サーバーへ接続できずエラーが発生する可能性があります。
WordPressで接続エラーが発生した場合、次のような対処方法を試しましょう。
データベースに接続できない場合、まずはwp-config.phpの設定を確認しましょう。wp-config.phpの情報を書き換えてサーバーに接続するためには、FTPクライアントソフトを活用します。FTPクライアントソフトとは、パソコンとサーバーとの間でファイルを送受信するためのソフトです。
wp-config.phpに入力すべき情報は次のとおりです。
例えばユーザー名やパスワードを正しく入力できていない場合、ブラウザ上に「MySQL Error: Access denied」と表示されます。
なお、入力にあたっては半角と全角の入力に注意しましょう。特に「!」をはじめとした半角か全角なのか判断しにくい記号には、注意が必要です。
データベースへのアクセス権限によってエラーが発生するのであれば、どのユーザーが権限を持っているのかを管理画面の該当項目から把握して、権限を付与しましょう。管理画面の確認方法はWordPressによって異なりますが、初期設定であればURLの最後に「/wp-admin」を足すことでアクセス可能です。
データベース接続確立エラーが起きたら、不要なプラグインやテーマを整理するのも対処法の一つです。WordPressの管理画面にログインして、プラグインの無効化やデフォルトのテーマへの変更をしましょう。
WordPressの管理画面にログインができない場合、サーバー上のプラグインフォルダ、テーマフォルダの名前を変更することで無効化できます。FTPクライアントソフトを使ってサーバーへ接続し、WordPressがインストールされているフォルダを探しましょう。「wp-content」の「themes」もしくは「plugins」にトラブルの原因であるフォルダがあります。該当フォルダを任意のフォルダ名に変更することで、無効化が可能です。
サーバーの不具合によってエラーが発生しているケースでは、提供元であるサーバー会社に確認してみましょう。一般的に、サーバー会社は障害発生時やメンテナンス時に、ホームページでアナウンスしています。
また、サーバーの容量が原因で不具合が発生しているのであれば、プランの変更が効果的です。
データベースが容量を圧迫していることで接続確立エラーが発生しているのであれば、次のような方法で負荷を軽減しましょう。
データベースが肥大化してサーバーの容量を圧迫しているのであれば、不要なリビジョンを削除しましょう。リビジョンとは、WordPressの投稿改訂履歴のことです。長期間WordPressを使用しているとリビジョンが溜まり、サーバーの容量を圧迫してしまいます。データベースがサーバーの容量をオーバーすると接続エラーにつながる可能性があります。
リビジョンの削除にはプラグインの活用がおすすめです。例えば「WP-Optimize」は日本語に対応しておりワンクリックで削除できるので、初心者にも使いやすいプラグインです。
サーバー負荷を下げるにはキャッシュプラグインの導入も有効です。キャッシュとは、一度生成したページを再利用するために一時的に保存する機能です。
WordPressはアクセスごとにデータベースに接続するため、アクセスが増加するとサーバーへの負荷が増大しエラーを引き起こします。キャッシュプラグインでWordPressにキャッシュ機能を付与すれば、この負荷を軽減できます。
また、キャッシュによってページの表示速度を早められるというメリットもあります。
データベースの破損が原因であれば、修復作業が必要です。
修復する際はwp-config.phpを操作するためバックアップを取っておきましょう。バックアップ作業は手動でも可能ですが、自身でバックアップを取るのは自信がないという場合はバックアップ取得用のプラグインを活用しましょう。
まず、wp-config.phpに以下のようなコードがあるかを確認し、見つからなければ最終行に追加します。
そして以下のデータベース修復コードを入力し、リロードしてください。
次に以下のURLにアクセスします。
「https://〇〇〇〇〇.com」の部分は自社のサイトのURLを入力しましょう。
URLにアクセスすると「Repair the database(データベースの修復)」「Repair and optimize the database(データベースの修復と最適化)」の選択肢が出るので「Repair the database」を選択します。
データベースが復旧したら、wp-config.phpに追記したコードを忘れずに削除しましょう。コードをそのままにしているとセキュリティリスクにつながります。
使用しているサーバーによってはツールを使った修復も可能です。例えば、エックスサーバーであれば「phpMyAdmin」を使用することでデータベースを修復できます。
まず、サーバーの管理画面からphpMyAdminを選択し、ユーザー名とパスワードを入力しましょう。wp-config.phpで確認可能です。
phpMyAdminから修復対象のデータベースのドメインを選択し、「使用中」の項目か全選択してから「テーブルを修復する」を選択しましょう。なお、修復作業の前には忘れずに修復対象のバックアップを取っておくことが大切です。
XAMPPやMAMPなどのツールによって、ローカル環境でWordPressを作動させるのであれば、MySQLを起動させましょう。MySQLは、XAMPPやXAMPPの管理画面から起動できます。
悪意ある攻撃によってデータベースに接続できない不具合が発生しているのであれば、セキュリティの状態を確認しましょう。セキュリティ状態を確認すにはマルウェアスキャン機能が備わっているプラグインでサイトをスキャンできます。
万が一、マルウェアに感染していることが分かったら、該当の端末をWi-Fiや有線での接続、Bluetoothなどのネットワークから遮断します。遮断したらセキュリティツールによって削除を実行しましょう。特定のサイトから手動でダウンロードしたファイルが原因であれば、該当ファイルを削除します。
WordPressのデータベース接続確立エラーに気が付かなかったり、対処法に手間取ったりして放置してしまうとユーザーがサイトを訪れることができません。そのままではユーザーからの信頼低下につながる恐れがあり、SEOにも悪影響が出てしまいます。結果的にサイトからの集客ができず、ブランディングや売り上げにもマイナスになってしまうでしょう。
また、データベース接続確立エラーを放置することでセキュリティ上のリスクもあります。サーバーとデータベースとが紐づけられていないWordPressは、宙に浮いているような状態です。悪意あるユーザーが不正なデータベースと紐づけて、個人情報や社外秘の情報などを抜き出そうとする恐れもあります。
データベース接続確立エラーの発生を回避し、万が一、エラーが起きた際に即時復旧を目指すためにも、日頃の対策が重要です。日頃から行っておきたい対策は、主に以下の3つが挙げられます。
WordPressはオープンソースであるため、ソースコードが一般に公開されています。そのため、悪意あるユーザーがソースコードの脆弱性を研究し、不正なアクセスを仕掛けてくる可能性があります。特に、古いバージョンのWordPressは脆弱性をつかれやすいです。不正アクセス対策として、最新のバージョンを維持しましょう。
WordPressのセキュリティ対策にはプラグインの導入がおすすめです。セキュリティ対策用のプラグインを導入することで、マルウェアスキャンやファイアウォール、二段階認証などの機能をWordPressに付与できます。
なお、プラグイン、さらにはテーマにもバージョンが存在しているため、最新バージョンを維持するようにしましょう。WordPressのバージョンが古い場合はもちろん、プラグインやテーマが古いままの場合も、サイトに脆弱性が生まれてしまいます。また、プラグインやテーマの脆弱性をついた不正アクセスを回避するため、使わないものは削除することも大切です。
WordPressの接続確立エラーが万が一発生してしまった場合に備え、定期的にバックアップを取っておきましょう。データベース接続確立エラーが発生した際、重要なデータが消えてしまう可能性があるため、定期的にバックアップを取っておけばスムーズな復旧につなげられます。また、悪意あるユーザーからの攻撃を受けたことでデータが消失した場合であっても、バックアップによってスピーディな復旧が可能です。
WordPressのデータは手動だけでなく、専用のプラグインによってバックアップができます。自動の設定ができるものもあるので導入するとよいでしょう。
データベース接続確立エラーをはじめ、WordPressのトラブル発生リスクを抑えて安定した運用を実現するのであれば、運用・保守代行サービスへの依頼も検討してみましょう。運用・保守代行サービスはサイトの運営者に代わって、各種アップデート、アップデートによる不具合修正、定期的なバックアップ、トラブル時のサイト復元、セキュリティ強化、運用サポートなどをWordPress運用のプロが業務を担います。
WordPressの運用・保守代行を依頼するメリットは主に次のとおりです。
WordPressの運用・保守代行サービスを利用することで、自社で発生していた運用・保守にかかる負担が軽減されます。
例えば中小企業の場合、専任の従業員を確保できず、本来はWordPressの運用・保守を専門としていない従業員が兼任するケースがあります。このようなケースでは兼任している従業員の負担が増すだけでなく、本来の業務に充てる時間が確保できません。
運用・保守代行サービスに依頼すれば、プロが対応してくれるので効率が良く、本来の業務に注力可能です。
また、WordPressの運用・保守に携わる従業員を新たに確保するよりも、外部に委託した方がコストを抑えられる可能性もあります。
WordPressの運用・保守代行サービスを提供している業者は専門的な知識を備えています。特に何社もの運用・保守代行に対応してきた業者であれば、豊富なノウハウを持っているでしょう。
特にセキュリティ対策やトラブル時の復旧対応は専門的な知識が必要なケースが多いです。サイバー攻撃を受けたりサイトが停止したりといった状況になった場合、イメージの低下、売上機会の損失、顧客情報の流出などにつながりかねません。専門家が対応することで、このようなリスクの低減になるでしょう。
WordPressの運用・保守代行サービスに依頼するメリットのひとつが、サイトで集客するための提案をしてもらえることです。集客のためには安定したサイト運営はもちろんのこと、SEOやコンテンツマーケティング、Web広告戦略、サイト改善なども重要です。こうしたWebマーケティングは業界トレンドが常に変化します。専門的な知識を持つ業者であれば、アルゴリズムやトレンドに沿った的確なアドバイスが期待できるでしょう。
WordPressのサイトでデータベース接続確立エラーが発生すると、ユーザーはWebサイトを閲覧することができなくなるため、迅速な復旧対応が求められます。
データベース接続確立エラーの原因はwp-config.phpの設定ミス、プラグインやテーマのトラブル、データベースの問題、外部からの攻撃などが挙げられます。本記事を参考に原因を把握してそれに応じた対策を講じましょう。
サイトの不具合を避けて、安定した運用を実現するためには、保守・運用代行サービスへの依頼もおすすめです。専門業者に依頼することで保守や運用にかかる負担を軽減可能です。
株式会社ジオコードではWordPressのサイト制作や保守・運用代行などに対応しています。WordPressにインストールしたプラグインのアップデートや悪意のある攻撃を受けやすいポイントの保護など、さまざまな手段でセキュリティ対策を講じています。サイトから集客につなげたい、セキュリティ対策を強化したいとお考えの方はお気軽にご相談ください。